ささげて咲けりくれなゐの薔薇 ページ11
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Aと付き合って5年。
自分でもびっくりする程、Aとは相性がいい。
「わぁ!描いたの?これ」
「そう。暗号」
「暗号?」
「解いてみて」
5年という時間を穏やかに幸せに過ごせているのは
紛れもなくAの支えと理解があるからで。
「えー、私こういうの苦手なの将企くん知ってるでしょ」
わかりやすく目立つところに飾った
暗号を描いたキャンバスと睨めっこするA
「意地悪将企...ヒントは?」
真剣に考える姿は何よりも愛おしくて
ほんまにこの子に出会えて良かったと思う。
「俺が子供に1番最初に教えたい言葉」
「言葉?」
あの暗号のキャンバスを描いて1ヶ月が経つ。
「四六時中あの暗号が頭の中に浮かんでる」
まだ悩んどるAに
「Aの解釈でもいいんよ?」
と伝えると驚いた顔をする。
「答えないの?」
「正しいのはな」
「ますます考えちゃうよ」
「もうひとつヒント、俺の人生最後の言葉はコレやと思う」
あれから更に1ヶ月、Aと久々に会えた。
ここ最近の出来事をお互いに報告しあった後
「ふふっ」
「どうしたん?」
Aは一言「暗号」と呟く
この笑顔は、多分解読出来たんやと思う。
「なんで暗号にしたの?」
「当たり前だからとくべつにしてみたんよ」
「なんかそういうの、いいね」
解読出来たなら、もうひとつ伝えたい。
「A、」
「なぁに?」
「これからも、ずっと好きやからよろしく」
1992*4##111 / 二宮和也
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リリーさん
お誕生日おめでとうございます╰(*´︶`*)╯♡
霊びてひとのこころ晴れゆく→←逢ふことの絶えてしなくは中々に

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作者名:裕 | 作成日時:2022年3月12日 12時