コイノウタ (ページ30)

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わびぬれば今はた同じ難波なるページ30

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「A」

「ん、」

素肌に触れるAちゃんの熱にくらくらする。

なんで、もっと早く出会えんかったんやろう

「旦那さん、大丈夫なん？」

「どうしたの、いつも聞かないのに」

Aちゃんには旦那がおる。

中学生の頃から付き合っていて結婚した、とは聞いた。

、、、それ以上は聞きたくなくて聞いとらん。

「好き」

「将企くん、苦しいよ」

ギュッと強く、離れんように抱きしめると

Aちゃんは困ったように笑う。

「あー気持ちいー」

「ちゃんと病院行かなきゃ」

優しい手付きで腰をマッサージするAちゃんは

人に尽くすのが好きらしい。

「Aちゃんマッサージ上手いよな」

「親によくやってたから」

2人で会う時は勿論ホテル。

「この間ね、魚料理が美味しいお店見つけたの。将企くんも行ってみて！絶対好きだから」

一緒に行こうって絶対言わん

、、当たり前か。

外で堂々と会えんってこんなに辛いんや

大好きやのに、Aちゃんとは

これ以上の関係になれんへんなんて…

こんな悲しいことあるん？

「将企くん彼女は？」

「んー、今はAちゃんがおるからいい」

女の子には困ったことなかったけど

まさか、人妻に本気になってまうなんて

思ってなかった、、、

「Aちゃん」

「ん？」

「、、呼んだだけ」

「ふふ」

俺の頭を撫でながら優しく笑うAちゃんが

めちゃくちゃ愛おしい。

もう、今この瞬間

幸せやから

良しとしとこう。

悩んだって

好きなもんは好きなんやから

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