コイノウタ (ページ29)

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長くもがなと思ひけるかなページ29

君がため惜しからざりし命さへ Aside

『最低…』

「ごめん」

『別れる』

「もうせんから！」

『無理』

彼氏に連絡しても返事がなくてアパートに突撃したら、、真っ最中…

帰りたくなくて、劇場に戻ってソファに蹲ってるとリリーさんがみえた。

この気持ちを吐き出したくて、優しいリリーさんに甘えると

「今日はリリーさんが特別に付き合うで」

温かい手が頭に乗って、泣きそうになるのを必死に堪える。

「Aにはもっとええ男がおるで」

『出会えますか？』

「Aなら出会える」

この日を境に、リリーさんを意識するようになっていた。

楽屋で隣に座った辻くんとスイーツ情報を交換しているとLINEが届いた。

目の前に座る、リリーさんから。

リリーさん髪切ったん?

A気付きました?少ししか切ってないのに

リリーさん昨日より可愛くなっとる

辻くんと会話しつつ、顔を上げると含み笑いをするリリーさんと目があう。

リリーさんそんな可愛いAちゃん、今日の夜ご飯行こ

A行きます!

私の返信を見たリリーさんは立ち上がると、頭をぽんと叩いて楽屋を出て行った。

いつもと少し違う状況に思わずドキドキしてしまう。

隣にいる辻くんの話はごめん、右から左だった。

「Aの隣誰かしらおってゆっくり話せんやろ」

2人で飲みながら、今日の話をする。

『おかげで辻くんに怒られましたよ、話聞いてます？って』

リリーさんの前で他の芸人の名前を出すと、少しムッとする。それは、自惚れてもいいのかな？

『リリーさんになら、浮気されてもいいかなぁ〜…へへっ』

「俺は浮気せんよ、Aの為なら命も惜しないで」

ボソッと呟いたのに聞かれていた挙句、勘違いしてもおかしくない事を言われる。

『どうしたんですか？急に』

「俺はAが好き。やから」

突然の告白に思考が止まる。

『いや、あの！私も、リリーさんのこと好き、だと思います』

焦ってそう伝えると笑ってる。

『今私、すっごくドキドキしてます。これって、好き、であってますか、、？』

「あっとると思うで」

道端で抱きしめられて、心臓が破裂しそうになる。

『うん、、あってます、私も、好きです。リリーさんのこと』

「ありがとう。幸せにする自信しかないわ」

いい人に出会えましたよ、リリーさん。

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