コイノウタ (ページ2)

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今日を限りの命ともがなページ2

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「Aが好き」

夢みたいな告白から半年。

未だに、リリーさんと付き合っている現実が夢ではないかと疑いたくなるけど

「あの…楽屋では、やめて頂きたいと前も言いましたが？」

「えーやん」

「またリリーさんAの膝で寝てますやん」

「Aちゃん顔赤ぁ！」

私の膝を枕にして眠るリリーさんと、この様子をいじってくる芸人達のおかげで

現実なんだ

と思える。

「最近リリーさんが遊んでないらしい」

「リリーさんに本命が出来たみたいやで」

半年前、そんな噂が劇場内で囁かれた。

「その、首のやつって…」

「…付けんな言うたのに」

いつもふら〜と遊んでいるイメージで

「わっ？！あ、リリーさん」

「傘持ってへんの？」

「これくらいなら行けるかなぁ、と」

「あかんよ、風邪引いたらどうするん」

「ありがとうございます」

優しくて

「A、少し寝とき」

「え？」

「いつもより顔色悪い。これかけて、ほら」

相方さえも気付かない変化に気付けて

「Aは可愛いなぁ」

どんな女の子にだって言ってるんだろうって

わかっていても、好きになってしまった。

そのリリーさんが、ひとりの女の子を選んだらしい。遊んでいることよりも本命が出来る方が辛い…

心臓がギュッと握り潰されたみたいに苦しかった。

そんな矢先だった。

「Aが好き」

夢を見てるのかと、頬をつねる。

「何しとるん？」

「夢かと思いまして、」

だってその本命が、私っていう訳で

「ふは。俺はAが好きやけど、Aは？」

「…私もリリーさんのこと、好き…です」

「俺もうAがおれば何もいらん」

そんな事を言って抱きしめてくるリリーさんに

「本当ですか？」

と問うと

「思っとらんことは言わん」

なんて怒られたけど

「最高に幸せです」

人の気持ちは変わる。

だから

リリーさんに最高に愛されてる今、命尽きたい

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