はい お嬢様【JN】

沈黙の理由 ページ35

しばらくの沈黙。




その空気を破ったのは、旦那様






「もし、交際に反対だといったらどうする」




JN「認めていただけるように、努めます。」





「しばらく会うなと行ったらどうだ」



『お父さん。』



JN「いいから」





Aが旦那様に訴えようとするのを制止した。




「お前は黙ってなさい。ソクジンに聞いている」





JN「会えるまで待ちます。いつまででも待ちます。」




「周りに何を言われても耐える覚悟はあるのか」





JN「あります。何を言われても、一緒にいられるのなら」











「フッ」






急に眉間のシワが消えて、まさか笑ってる。




呆れられたんだろうか。







「ようやくか。ようやく腹をくくったかソクジン」






JN「？」






「いつになったら腹をくくるかと思ってたんだが。
　
　本当にこのままミン家の長男に嫁ぐところだったな。」






JN「旦那様‥‥？それはどういう意味ですか？」







「お前がAを密かに想ってることなんて、ずっと気づいていた。Aの方はよくわからなかったが。

婚約の話までしてるのに、いつになっても知らぬふりをしてるから、いい加減にしろと思ってたよ。」






JN「でもユンギさんとの結婚を望んでいらしたのでは」





「お前がいつまでもハッキリしなかったからだ。

　そんな覚悟もない男にはやれんだろう。

　Aが幸せになれるなら私はいいんだ。」





JN「そうだったんですか‥‥」

　




「まぁソクジンはずっとAが好きだったの？
　気づかなかったわ」





奥様が驚いたように話し始めた。




「Aはずっとソクジンのことが好きだったわよね。
私は母親だから、そっちには気づいてたけど。」





『え そうなの？』





「あなたずっとソクジン一筋なんだもの。わかるわよ。
でもソクジンはその気がなさそうだったから、愛してくれる人に嫁いだほうが幸せかと思ってたの。」




『え じゃあ、別に反対はしてなかったの？』






「しないわよ。娘が幸せになれるなら。
　あなたを心から愛してくれる人と結ばれてほしいもの。」





旦那様は俺の気持ちに




奥様はAの気持ちに




それぞれ気付いていたなんて。






そして、そこまで心配するほど、いや、むしろ

全く反対されてるわけではなかったということだ。





重い沈黙の理由は、思ってもみないことだった。

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