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#98 ページ8






大「……泣くなや。」




俺が悪いみたいやん。




俺が椅子に座ってるし、

ヤスまでの距離がちょっと遠い。

もどかしい距離。





安「…っ……っ」





多分涙をとめようとしてるんやろうけど、次から次に溢れてくる涙は多分暫くは止まらない。




大「……ヤス、泣いてたらわからんって。」




そう言って近づき、

そっとその頭を自分の肩に預けさせる。




頭のてっぺんにチュッとキスすると、


涙を止めるために顔の前にあった手が俺の背中にまわって、必死にしがみついてくる。





寂しかったんかな……





ピアスの空いた耳に「大丈夫ここにおるよ」って囁くと、余計に酷くなる嗚咽。





背中ぽんぽんする腕も辛くなる10分後、やっとヤスは泣き止んで「ありがとう」と小さく呟いた。



ーー



大「は?俺に告るって宣戦布告してきた女子に嫉妬してただけ?」





安「……うん

だから大倉はなんも悪くないって言うたやん」




恥ずかしそうに冷めてしまったトンカツを口に運ぶヤス。


なんやねん、心配して損したやん。



いや、心配に損するとかないねんけどさ。




安「僕が女の子やったら大倉、もっと幸せなんちゃうかなって思ったらなんか不安になってもて……」



大「…いや、男とか女とか関係ないって。

俺ヤスがおじいちゃんでも絶対に恋してたで?」





自信持って言えることは、



俺はきっとジジイでも、女でも、それこそ人間じゃなくても、



ヤスのことを好きになってたと思うよ。









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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時

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