ファーストキス#8 ページ36
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柳田くんの部屋はさっきから、
カチカチと時計の音がうるさい。
「……次は数学、でもしますか？」
「んー、したくない…」
一緒に期末テストの勉強しようって、
柳田くんが言い出したから来たのに。
「……じゃあ英語。」
「それもやだ」
なんだか柳田くんはあまり乗り気じゃなくて、
いつもよりさらに口数が少ない。
「…うーん、そんじゃ生物」
「A、」
生物やろーって提案しようとしたとこで、
名前を呼ばれてビクってなった。
「なんでしょう、」
「……なんか、遠くない？」
「そ、そう？」
だって。
だってだって。
「気のせいじゃないかな？」
「……、」
柳田くんが入れてくれたココアは、
初めは２つ並んで置かれてて。
「あ！そういえば生物の教科書学校だ」
「あーおれも…じゃなくて、」
何も考えずに初めてお部屋に来たものの、
こんな密室に2人きりって考えたら
急に恥ずかしくなって、
ココアを反対側に移動させて
つい隣から逃げてしまったわけで。
「そっち行っていい？」
頬杖ついてる柳田くんの長めの前髪が、
少し黒目がちなその綺麗な目にかかってる。
「え、っと…」
やだ、けど嫌なわけじゃない。
だけどイヤで、でも嫌なんて言えるわけない。
私がわけわかんないこと考えてたら、
柳田くんがいつのまにか隣に来てて。
「…ねー、おれ集中できない」
隣から、
覗き込むように
そんなこと言われたって。
少し触れた肩から、
熱がどんどん広がってく。
「……私も、でき」
できない、って言おうとしたのに。
「………、」
目を閉じる暇もないくらい、
急にちゅーしてくるとか。
ちょっとこれ、
急すぎて心臓もたない。
「………なんか喋って。」
柳田くんは、
真っ赤になって目を離せないでいる私に向かって
少し恥ずかしそうにそう言った。
自分がしてきたくせに、
そんな顔するとか
ズルイ。
「……ばか、」
柳田くんは、
ばかって言われたくせに少し笑ったから。
最初から勉強する気なんて
なかったんじゃないの、なんて
少しイジワルなことを思う。
(奪われたファーストキス)
(そのほんの一瞬は、きっとドキドキの限界時間)
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まな - いつもお話楽しみに読ませて頂いています！初恋の続編的なのを出来たら読みたいです！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2022年11月22日 17時) (
レス) id: fb95b59a3c (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi - 星野将希さん» 一作目から見てくださっているのですね。とても嬉しいです。先生シリーズもまた更新しますね。ありがとうございます^_^！ (2018年2月2日 1時) (レス) id: 8be4045229 (このIDを非表示/違反報告)
星野将希(プロフ) - はじめまして、シリーズ一作目から読ませて頂いています。mi mi miさんの文体がすごく好きです。特に先生シリーズ？(1487:生徒、夢主:先生)がお気に入りです！これからも更新頑張ってください。応援してます！ (2018年1月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 2e2dbe8a41 (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi - 南さん» そう言っていただけるととってもとっても励みになります。これからもよろしくお願いします(*^_^*) (2018年1月16日 4時) (レス) id: 8be4045229 (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - mi mi mi大好きです！ (2018年1月13日 20時) (レス) id: 20552de2df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi mi mi | 作成日時：2017年10月12日 23時
