好きがあふれる。 (ページ27)

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彼女じゃないページ27

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2015年 9月

音楽番組の生放送の楽屋。

『『『『『失礼しまぁ～す！』』』』』

いかにも " アイドル " という人達の甲高くて、頭に響く声。

フリフリのスカートに胸元には大きいリボン。

私とは縁のない衣装を着ている。

あ、健ちゃん鼻の下伸びてる。
まぁ好きそうなタイプの人達だもんね。

……臣くん、顔に出てる。

直人さんやめて。そんな目で見ないで。
ロリコンになっちゃうから。犯罪だよ。

…むむ、隆二くんの表情が読めない。
顔に出さないようにしてるのかな。意外と役者なのね。

と思ったら直己さんめちゃくちゃ無じゃん。

ELLY……？少しは見てあげたら………？
ずっと下向いて『岩田さんっ！！』……え？

『私、ずっと前から岩田さんのファンなんですっ！』

いつの間にかメンバーの一人が剛典のそばに来ていた。

一応隣に私座ってたんだけど、まるで居ない人のよう。

剛典『……あ、え？』

『だからっ、こうして一緒にお仕事できるのが嬉しくて……！』

その瞬間、あろうことか手を握った女の子。

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……っ、なんで顔赤くしてんの？

そういう人タイプだったっけ？

広臣『A……大丈夫？』

……なに、なんの心配？

私が傷付いてるとでも？笑

「別に、大丈夫だよ。本人だって嬉しそうだし」

広臣『A、』

「私は彼女じゃないの！」

思いの外響いた声に自分でも驚いちゃったし、

楽屋にいる全員の目が私に向いてる。

もちろん、剛典の目も。

剛典『A……？』

なんなの、なんでその手振り払わないの、私だけじゃないの？

ハグするのも、頭撫でるのも、手繋ぐのも、

その大きな手でしてくれる事は全部私だけじゃないんだ、

……あはは、そうだよね、私何勘違いしてるんだろ。

幼馴染だからって都合よすぎだよね、そうだよだって、

「…………付き合ってない、もんね、あはは、
……すみません、ちょっと外出てきます」

直人『A！！もう本番始まるよ！？』

「っ、一人にしてください、」

広臣『待てって、A！！！』

「着いてこないで！！！」

今は、誰とも話したくない。

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