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46.俺は。 ページ46

涼介side(過去)







1カ月の中で、俺が最も苦手とする時期がある。



その日周辺はいつも、苦しくて苦しくて、

息がしにくい。





ああ、また今月もこの時期が来たな。

いつも通り、過ごせればいいけど。






そう思っていたのに、

ある日かかってきた1本の電話で俺は一気にどん底にある泥沼にハマった。







いつも以上に苦しくて、苦しくて、苦しくて苦しくて。





ああ、息ってどうやって吸うんだっけ。どうやって吐くんだっけ。



笑顔ってどうやって作るんだっけ。


口角上げればそれっぽく見える?




目を細めればいいんだっけ。


でも、少しでも目を動かせば涙が溢れそうになる。






嫌だな、嫌だな。




大好きなメンバーの前で、こんなダメな俺を曝け出すなんて。


個人の問題を持ち込むなんて。出来ないよな。






苦しい。


俺の心臓、止まるんじゃ無いかってくらい動機が激しい。





いっそのこと、止まってくれねーかな。



この手の震え、早く止まれ。









いつも気づいたら隣にある気配。



顔を見なくても分かる。







涼「……また来たの。伊野尾ちゃん」







顔を伏せたまま呟くように言うと、
陽気な声で「せいかーい」と聞こえた。






涼「楽屋戻って」

伊「んー俺もココにいたい気分だからさ」

涼「戻って」

伊「山田と一緒に戻るよ」



涼「戻れよ!!」





初めて、声を荒げてしまった。



それと同時に後悔が押し寄せてくる。






涼「……………ごめん」




伊「んーん。いいよ。

じゃあさ、5分だけここにいてもいい?」

涼「………」

伊「居るね」





俺が何も言わなかったらそれを肯定と受け止めて伊野尾ちゃんは隣に座った。




自分が着てたジャケットを俺の肩にかけて「今日寒いね」なんて、いつも通りの声で話しかけてくる。



その、さり気ない優しさが何だか痛くて。





でも、詰まっていた息がしやすくなって。



どうしたらいいのか分からない。






伊「…今日は泣かないんだね」

涼「…いつも泣いてねーよ」

伊「そっか」




何分経っただろうか。

5分経っても10分経っても、伊野尾ちゃんはその場から動こうとしなかった。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 山田涼介 ,   
作品ジャンル:泣ける話
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バレー☆JUMP - すごく面白いです!続き楽しみに待ってます。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: be5a18060c (このIDを非表示/違反報告)
やまたかLOVE - とても面白いです!更新頑張ってください! (2019年11月30日 19時) (レス) id: 804987f918 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2019年11月29日 8時

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