ゾルディック家の次男坊【HUNTER × HUNTER】

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お前が欲しい


目の前の男の言葉に耳を疑い暫くしても言葉が出なかった






『はぁ？』






捻り出して、理解してせめてもの一言だった
マジでコイツ何言ってんだ





「クロロ、帰って」




「A、俺と来い」




『は、旅団に入れってこと？無理』





俺より背の高いクロロに覗き込まれる
イルミとは違う暗い瞳に、何故だか動悸が上がっていく





「旅団に入らなくてもいい、兎に角俺と来い」





「殺すよクロロ、本当に」







何処ぞの誘拐犯の台詞だよ
そもそも俺がお前について行くメリットなんてなぁんにも無いのに、コイツマジで何言ってんだ






「Aはお前のものじゃないから」





『おーそーだぞ、一昨日来やがれよ』





ものじゃ無いんだよ俺は、癪に障るやつだな
俺とクロロルシルフルの間に割入ったイルミ
さすが家族愛強めの我が兄よ






「Aは俺のものだから、ね」






いや、ねっと言われましても
俺は、ものじゃねんだよイルミくん







『まあそれでいいよ、だから諦めろクロロルシルフル』





長いなファミリーネーム言いずら
言うて俺もゾルディックだった、長いわファミリーネーム






「そうか、お前はもう人のものなのか」







なら都合がいいな、と笑みを浮かべ始めた
あーすっごい嫌な予感する
俺、この手のタイプに好かれるワケ








「お前が人のものなら、盗めばいいだけだろ」







『盗賊の鏡だね』









イルミの馬鹿、お前が余計なこと言うから

なんて本人に言えると思う？
イルミブチ切れ、俺もうこれ止めるの嫌なんだけど







「俺から盗めると思ってんの？」





「ねぇA」






降るな振るな、巻き込むな
2人で勝手にやっててくれよ同意求めんな








『イルミあるとこに俺ありだからな』






だけど今はこの後の展開最優先
イルミを不機嫌にさせたらさ、後々が面倒いわけ
クロロルシルフルはしらん、今日初めましてだもん





行くよ、と引っ張られる腕は加減を知らない
ほら、もう既に怒ってる








「またなA」




『おう、仕事なら大歓迎。お前金払い良さそうだし、殺し以外も受け付けてやるよ特別にな』






だからその禍々しいオーラを俺に向けるのはやめておくれ
クロロルシルフルに自身の連絡先を記されているカードを投げた


咄嗟にイルミにすごい形相で睨まれてきたが
こればっかりは俺の好奇心、
やっぱりまだまだ落ち着かないみたいだ







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