▽ 物語が始まる前のお話 ページ3
しんと静まり返っていた部屋に、目覚まし時計のアラーム音が鳴り響き始めた。
五月蝿いなあ……
私は布団の中から手を伸ばし、ダンと乱暴に音を止める。
ただの一般の人間の朝。
面白みなんて全くない。
そりゃそうだ。
人生なんて楽しくない。
なんで人生なんてあるのだろう。
もういっその事消えてしまいたい。
もう疲れたんだよ、
色々と。
人生にさ……
何言ってるのよ、子どもが……なんて言われそうだけれど。
「七海〜!! 早く下りてきなさい! 朝ごはんよ!」
母の叫び声。
ああ、これは怒っている。
「はーい!」
と大声で返事をして布団から飛び出し、
私は部屋をあとにした。
朝起きてご飯を食べて学校に行って、帰ってまたご飯を食べてお風呂に入って寝る。
そんないつもの平凡な一日が、また始まろうとしていた。
****
私は父、母、私、弟の四人家族だ。
父も母も地元の大学を卒業。
頭がいい訳でも悪い訳でもない。本当に「普通」だった。
そんな二人の間に生まれた私、中学二年生の女子。
いわゆるJCというやつだ。
そして学力は、平均。
なんとも言えない、という感じだろうか。運動も、美術も、音楽も。
自慢ではないが、とにかく平均なのだ。
流石我が両親の娘だ、とでも言っておこう。
それに比べて弟は、驚くほど優秀だった。
今は小六だが塾には通っておらず、テストは三桁の結果を喜んで持って帰ってくることも少なくはない。
通知表だって二重丸が綺麗に整列しているのだから、見ていて気味が悪い。
だから両親は、そんな弟を褒める。
でも、別に私とは比べてこない。
『七海は七海で、自分なりにやっていけばいいんだよ』
と、言ってくれる。
だけど、いつも思う。
自分は誰にも必要とされていないんじゃないのか、と。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
24人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぐや(プロフ) - 水の犬。さん» 水の犬。様有難うございます!共感していただけて嬉しいです。お気づかいの言葉まで有難うございます…!面白いと思っていただける作品作りを心がけますので、今後ともどうかよろしくお願いします! (2019年2月19日 20時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します。お話すごく面白かったです!主人公の気持ちで共感できる部分がたくさんあり、お話の世界に入り込んでしまいました(*∵*)更新、無理しない程度に頑張ってください! (2019年2月19日 18時) (レス) id: 1e3c02421b (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - ありしあさん» お褒めの言葉有難うございます…!そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです…!よい文章、物語を作り上げられるようこれからも頑張ります、どうかよろしくお願いします! (2018年3月24日 12時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
ありしあ(プロフ) - すごい…文章がよくまとまっていて、とても読みやすいですね!謎めいた事件から始まるストーリーも、先の展開が気になってしょうがなくなります! 次の更新も楽しみにしてますね! (2018年3月23日 21時) (レス) id: 8ee049553d (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - すわさん。さん» そうなんですね、教えてくださり有難うございます…!そう言っていただけてとても嬉しいです! (2018年3月11日 19時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ