第五章 24_アズールのハッタリ ページ25
ジャミル「それじゃあ、引き上げる前に使ったフロアの整備だ。
倉庫からモップを取ってこい」
「「「はーい」」」
返事をした中にカリム先輩もいて、目を丸くした。
『カリム先輩は…あー』
ジャミル「カリム、お前は良いって……はぁ」
『…何か、すいません』
ジャミル「Aが謝る必要はない。いつもの事だ」
サラリという彼に少しばかり同情してしまうのはホリデーのアレを見てしまったからだ。
…大丈夫、なのだろうか。
すると、ジャミル先輩が私に近付き、スンスンッと匂いを嗅いでいる。
『…あれ、匂いますか?』
ジャミル「あぁ」
『ご、ごめんなさい!!』
ジャミル「そうじゃない…ちゃんとつけてくれていると思って、な」
『え?…あぁ、香水ですか?はい。いい匂いなのでよくつけてます』
ジャミル「そうか……」
『…何か不味かったでしょうか?』
ジャミル「いいや、その調子でどんどんつけてくれ」
『は、はぁ…?』
付け過ぎたら逆に匂いが目立ってしまうのでは…と思いつつ、返事を返す。
すると、体育館にコツコツと足音が響いた。
アズール「ああ、よかった。ここにいらしたんですね。ジャミルさん」
『アズール先輩?』
ジャミル「アズール?…何の用だ」
偉く警戒した素振りだ。顔も険しいし…。
アズール「クラスメイト相手に、そんな嫌そうな顔をしなくてもいいでしょう。
ジャミルさん、日直ですよね?午後の魔法士が自習になるそうです。職員室まで課題プリントを取りに来て欲しいとトレイン先生が」
ジャミル「分かった、すぐ行く」
すると、グリム君が私の足元からよじよじと肩まで登って小声で話してくる。
グリム「そう言えばジャミルの奴、アズールに本音ぶちまけ裏実況を全世界に放映されちまったんだっけ…」
『あぁ、あれならきっと…‥』
アズール「嫌ですねぇ。あんなの『もう言い逃れ出来ない』と思わせるためのハッタリに決まっているじゃないですか」
小声の会話に割り込んで来たアズール先輩に「ふなっ!?」と声を出すグリム君。
アズール「クラスメイトを社会的に終わらせるような真似を慈悲深い僕がするとでも?」
『はい、しそうです』
ジャミル「…いや、お前ならやるだろ」
グリム「慈悲深い奴は、あんなひでー嘘つかねぇ…て、嘘なのか?」
『スマホを持っているエース君やデュース君が、宴の時にジャミル先輩を見ても何も反応しなかったからね…何となく』
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ぬこ - オリキャラ苦手だけどこの作品は好きだわぁ( ˇωˇ ) (2023年3月1日 1時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - あぁぁぁぁぁもうありがとうございます。早速読んできます。 (2020年9月15日 0時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 早速のコメントありがとうございます!ヴィル先輩のユニーク魔法、気になりますよね。今回、オバブロするのは誰なのかもまた気になる話です!更新を順々に進めて行きますのでよろしくお願いいたします (2020年9月14日 22時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 来ました!!!!五章!!!!今後も更新を楽しみに待っています!!!!あとヴィルさんのユニーク魔法が物凄く気になる!! (2020年9月14日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年9月14日 22時