283話 「いっぱい泣いていいよ」 ページ33
みゆきside
チョロ松「一松…。みゆきさんが引いてるよ」
一松「…あ」
おそ松「みゆきちゃん、入って入って！」
みゆき「う、うん…」
私は部屋に入り、襖を閉めた。
一松「…びっくりさせて、ごめん」
みゆき「ううん」
みんなの方を向いたら、カラ松はユメデアエールを持っていた。
カラ松「みゆきちゃん。待っていたよ」
おそ松「あのソファーに座りなよ」
みゆき「うん」
私は部屋のソファーの所に行き、座った。
みんなは私の近くにやって来た。
十四松「あっ！みゆきちゃん、この前のブレスレットを付けて来たんだね！」
みゆき「うん」
トド松「どんな話をする？」
みゆき「いざ言われると、難しいね…」
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みゆきside(回想)
大学入学から1ヶ月ほど経ったある日、台所で寮母さんと後片付けをしていた。
そんな中、学生会館のリビングにいる同級生の女子4人がアニメ雑誌を見ながら楽しそうに話をしているのを見かけた。
(みんな、楽しそう…。でも…。)
私は、その子達の話の中に入る勇気がなかった。
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トド松side
トド松「みゆきちゃん！みゆきちゃん！！」
みゆき「あっ…！」
みゆきちゃんは何か考え事をしていたようだ。
トド松「ごめんね。急に“どんな話をする？”って言われたら、困るよね」
チョロ松「もしかして、大学の同じ学科や学生会館の人達のことを考えてたのかな？」
みゆき「あっ…。うん…」
カラ松「優しいな。みゆきちゃんは…」
みゆき「えっ…。そうかな…」
カラ松「ああ」
みゆき「私…。小学1年生の頃に沙織ちゃんが転校してから、クラスの人とほとんど話をしてないの」
カラ松「えっ…」
みゆき「小学校6年間と中学3年生の夏までの間は教室などで氷室と他の男子が交代で私のことを見張っていて、女子トイレに出入りする時も廊下で見張っていたの」
トド松「何それ…。信じられない…」
みゆき「休み時間や移動教室の時もクラスメイトの誰かと話をすることすら許されなくて…。誰かと話をしていたら“私がいじめられていることを話している”と思ったんじゃないかな…」
十四松「授業でわからないところがあった時はどうしてたの？」
みゆき「授業中や休み時間に入った時に教室の中で先生に聞くしかなかったよ」
みゆきちゃんは涙を流していた。
みゆき「ご、こめんなさい…。また…」
チョロ松「みゆきさん…」
みゆきちゃんはは涙を拭った。
十四松「いっぱい泣いていいよ」
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作者名：よっちー | 作成日時：2017年6月12日 22時
