悲劇 ページ14
男は私達に罵倒を浴びせてきました。
それは聞くに耐えないものばかりでした。
私は段々とイライラして男を殺したくなりしたが、里の長に止められて手が出せずにいました。
そんな中で男が気になる言葉を残したのです。
『…この、野蛮族が!魔王や大名に魂を売り渡した愚か者共!お前達の選択がこのあとの災いを引き起こすのだ!覚悟しておけ!!!』
男はそう叫んだあとに激昂しながら、里を出ていきました。
私はこの最後の言葉を考えながらもいずれ忘れてしまうだろうと思い、気にしませんでした。
…その数日後でした。
地獄のように燃え上がる炎が里を襲い、今まで尽くして来た大名達の兵に同胞たちが殺されたのは。
私は、燃え上がる世界で必死に戦い続けながらも、余りにも多すぎる人数に勝てずもう死ぬのだと思いました。
…そんな時に私と一緒に戦っていた父が私に言いました。
ゴォォォォオ…
『…何で、こんなことに!!…くっ!』
『っ…冬!!危ない!!』
『えっ…?』
私は背後の兵が刀を振り上げるのに気づくのが遅く、もう斬られると心の中で思いました。
ですが、私は無傷でした。
……それは、父が身を呈して私を庇ってくれたからです。
突然の事に理解が追いつけず、私は父の血飛沫が上がるのを呆然と見ていました。
『…父さ…』
『…ぐっ!!』
『…しねぇぇぇえ!!』
『…オラァァァァ!!!』
グシャァァァ!!
父は力を振り絞るように斬ってきた男の顔面に向かって鉄球を振り上げました。
男の顔は潰れドシャリと崩れ落ちながら倒れるように息絶えました。
ですが、父の背中傷は思ったよりとても深く、血は止まることなく止めどなく流れていきました。
『…お父さん!お父さん!!しっかりして!!!』
『…ゲホッ……。無事…か、…ふ…ゆ?』
『うん、平気だから…。大丈夫だから…早く、止血を…!』
『…もう…いい。…止め…ろ、冬。』
父が、私の手を掴みそう言いましました。
『な、何言って…!!』
『ふ、ゆ…よく…き…け。…ここ…から…に…げろっ。』
『はぁ?!何言って…。何言ってるの?!』
『…この…傷じゃ…あ…俺は…もう…無理…だ…。さっき…から、体…がうご…かねぇ…。…この…里はおそ…らく…滅…ぶ…そうな…るま…えに、逃げろっ!!』
『…そんな、お母さんだってもう何処にも居ないのに…。ここを離れられる訳がない!!』
166人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんぶん(プロフ) - りこさん» コメントありがとうございます!返信が遅れてしまってすみません!今は少し忙しいですが、できるだけ更新していきたいと思うので、今後もこの作品を宜しくお願いします! (2021年2月18日 20時) (レス) id: d578b282eb (このIDを非表示/違反報告)
こんぶん(プロフ) - Okamotonori0831さん» コメントありがとうございます!返信が遅れてしまってすみません!なるべく、更新出来たらなと思っているので今後もこの作品を宜しくお願いしますね! (2021年2月18日 20時) (レス) id: d578b282eb (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 忙しいかもしれないけど頑張ってください! (2020年10月18日 19時) (レス) id: a8cbe2003c (このIDを非表示/違反報告)
Okamotonori0831(プロフ) - 良ければ、また更新して欲しいです!!とても面白いく、他にない感じで、私はイケメン戦国と鬼滅の刃どちらも大好きなので!!これからも頑張ってください(●´ω`●) (2020年10月18日 17時) (レス) id: c16ce53743 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶん(プロフ) - りこさん、コメントありがとうございます!最近忙しくて更新が遅くなるかもしれませんが頑張っていきます! (2020年9月10日 18時) (レス) id: d578b282eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こんぶん | 作成日時:2020年8月23日 20時