無色の女王 (ページ8)

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Episode4 ページ8

｢すみません...。｣

ぼーっと廊下を歩いていた氷野は、急ぎ足でどこかへ向かう女と肩がぶつかった。

反射的に謝罪を告げた氷野は何も気にせずまた歩くが、ぶつかった女の何かが引っかかり急いで振り返る。

｢.....!!｣

だが、そこに女の姿はなかった。

(.....物はスられてな___。)

いち早くぶつかった付近のポケットを確認した氷野は、胸ポケットに入っていた見覚えのない紙切れに気づく。

『本当に憎いならば国の指示なんて無視して止めにくる。
この世界の警察は何をしたい?
.....犯罪者はずっと同じ事を続けないと、思っておいて方がいい。』

赤色のペンで書かれた小さく綺麗な字を読み終えた瞬間、その紙切れを氷野はクシャクシャに丸めた。

書いた人物の正体、ぶつかった人物の正体がわかったからだ。

ｷﾞﾘｯ｢無色の.....!!!!｣

さっきまで無表情だった氷野の顔は怒りを覚え、紙切れを乱暴にポケットへ突っ込む。

何が言いたい?
今までとは違うやり方で人を殺めるという報告か?

そう思いながら、氷野は自分の班の部屋へと向かう。

今日もまた鳴るであろう、部屋の電話を待つために。