【忍たま】やれば出来る子 (ページ43)

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四十二話　本当の願いページ43

利「A家と言ったら
何処にも使えはしない、フリーの忍一族
雇う場合報酬が高くつくが
確実に任務を遂行する、一度も失敗したことがない
そんな話だが…お前、本当に知らないのか？」

あ「はい、何も知りませんでした」

利「だが、そんなA家のお前が
何故忍術学園に？
親から教わらないのか？」

あ「父も母も
亡くなってしまって…」

利「！…すまないな」

あ「いえ」

利「……確か、私が五歳の頃だ
思い出すのに時間がかかった」

あ「…？」

利「学園長の付き添いだったか
父とA家に行ったんだ

長女が生まれた、と言っていた」

あ「！…私のこと……？」

利「お前の父は、とても嬉しそうだったよ
『私の子には、自分がしたい事をしてほしい
自分が出来なかった分、自由になってほしい
たとえ、この一族が滅びようとも』
…そんな事を言っていた」

あ「そんな事を…？」

私が、したい事
今はない

だから
大事な人の願いを叶えたかった

でも、本当は

私がしたい事をする

それが願いだったら…

私は、どうすればいい？

あ「利吉さん
話をしてくれて、ありがとうございます」

利「いいんだ
…お前はまだ忍のたまごだ
まだ、時間がある
後悔のないようにな」

…そうだよ

あ「はい、分かっています」

私は

悩むために
忍術学園に来たんだ

時間はあるんだ