五十九話 一歩 ページ18
滝「喜八郎、あまり遠くに行きすぎるなよ」
花畑についたけど
綾部くんは穴を掘りたいのか
茂みの中に行ってしまった
私達は岩のそばに腰掛けた
滝「A、最近元気が無いが大丈夫か？
…あの事もあるが、本当に辛そうだ」
あ「…そうかな、ごめん
じめじめしてて」
滝「そうじゃない
私はただ、心配なんだ」
心配させるほど
酷い顔をしていたのか
自分では気づかなかった
滝「私が見る限り
授業にも集中出来ていないようだし
よくぼーっとしているじゃないか
何かあったのか？
私で良ければ話を聞こう」
あ「…いきなりなんだけど
私、鉢屋先輩のことが好きなんだ」
滝「…憧れている、とは聞いたが
好いていたんだな」
あ「うん、ずっと前からね
…九月のはじめに鉢屋先輩が部屋を訪ねてきて
『友達を斬られて怒るのは当たり前』
って言われて
…鉢屋先輩は友達だと思ってる
自分は気持ちを伝える努力をしてない
このことに苛々しちゃって
『友達として見てない』…なんて言って
今日まで避け続けた」
滝「…それは、あまりよくないな」
あ「うん、自分でも
嫌な奴だと思う」
滝「……それもそうだが…
鉢屋先輩の気持ちは知っているのか？」
あ「鉢屋先輩の？」
滝「Aのことを
後輩として見ているのか
嫌いだと思っているのか
或いは好いているのか
…まだ聞いてないんだろ？」
あ「そうだけど…」
滝「まだ聞いてないのに諦めるのは早い
鉢屋先輩の気持ちを聞かないと
話は進まないし
前には進めないんじゃないか？」
あ「…」
滝「この状況を望んでいないのなら
鉢屋先輩に答えを聞いた方がいい」
あ「…ありがとう、滝夜叉丸くん」
私に必要だったのは
あと一歩踏み出す勇気
あ「少しだけ、元気出た」
滝「…それならよかった」
あ「…明日、鉢屋先輩に聞いてみる」
滝「ああ、頑張れよ」
あ「うん」
綾「滝〜
あそこのお団子食べに行こうよ〜」
お団子？
お店があったのかな？
滝「団子？
今行くから待ってろ
…行こう、A」
あ「うん」
綾「…滝、僕は慰めないからね」
滝「別に慰めなんていらない」
綾「でも、側にはいてあげるよ」
滝「…ありがとう」
綾「……」
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妖福(プロフ) - なななさん» コメントありがとうございます！ドキドキ…そんな風に言ってもらえるなんてすごく嬉しいです！！更新頑張ります！！！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 初めまして。三郎が大好きでこちらの作品を拝見させていただき、とても素敵な三郎に会えて嬉しいです。夜中に一気に読んでしまいました。三郎の一言一言に自分もドキドキしました。こらからも頑張って下さい(^^) (2020年9月10日 5時) (レス) id: c0f8350906 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - ちびきゅうさん» コメントありがとうございます！好きが強くなってくれてる…とても嬉しいです！更新頑張りますね！！ (2020年9月9日 19時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - とてもおもしろかったです！もともと三郎が大好きなのですがこの作品を読んでさらに大好きになりました！！更新頑張ってください(*´∇`*) (2020年9月9日 5時) (レス) id: d482c4bf0c (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！コメントありがとうございます！！楽しんでくれて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年8月10日 16時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：教六 | 作成日時：2020年7月22日 18時
