検索窓
今日:10 hit、昨日:21 hit、合計:101,074 hit

F121 #4 ページ37

「っ………起きた…!」

「兄ちゃん!」



ベッドのすぐ横、椅子に腰掛ける雄也とその膝の上に座る慧くん。

膝から飛び降りた慧くんがタタっと駆け寄ってきて、それから雄也が近づいてきた。



「兄ちゃんっ……!」

「ごめんな…」



ポロポロと涙を流す雄也。
心配をかけてしまったんだなって申し訳なくなる。


その横でこちらをぼーっと見ている慧くん。
両手でぎゅっと、新品のネコを握りしめていた。



「慧くんもおいで。」



控えめに近づいてくる慧くん。



「2人とももうちょっと近く来てくれる?」



少し腕が動かしづらいけれど、がんばって動かして2人を抱きしめる。




「ごめんな、心配かけた。」



雄也は余計泣くし、慧くんはまだぼーっとしてる。



「慧くん?」

「……とおもった…………」

「ごめん、なんて?」



ピタッと目が合って慧くんも泣き始める。



「お父さんとお母さんみたいにっ、死んじゃうかと思った…っ……!!」



子供のように泣きじゃくる慧くん。
不安にさせてしまった。

トラウマを掘り返してしまった。



「ごめん、ごめんね。俺生きてるから。」

「当たり前だろっ!」


慧くんの涙がポロポロと落ちて、ネコの頭に当たる。
新品のぬいぐるみは、その雫を弾いた。






F121 Fin.

J115 #1→←F121 #3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (108 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1033人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

青空と虹(プロフ) - わざわざ言っていただいたのにすみません……これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 2時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 青空と虹さん» いえいえ!了解しました、これからも応援しています! (2021年2月1日 21時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - ぷく顔信者さん» はじめまして!コメントありがとうございます。今のところ自分の作品はイニシャルを入れずに伝えたいな、と思っており、入れずに進める方針です。読みづらくなってしまい申し訳ないのですが、誰が話しているのか考察して欲しいな、という作者の我儘です。ごめんなさい! (2021年2月1日 20時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 初めまして!まだ数話しか更新されていませんが、楽しく読ませてもらっています(´˘`*) 差し出がましいのですが、鍵かっこの初めに誰が話しているかわかるようにイニシャルなど入れていただくことは可能でしょうか…? (2021年2月1日 19時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青空と虹 | 作成日時:2021年2月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。