空色と結ばれて。【そらびび】

お風呂 ページ9

そらside

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「風呂に行く」

俺は、照れたせいで素っ気なく返事をしてしまった。


(慣れないなぁ)

この関係になって一日も経っていないから、慣れた方が怖いけど。



バスタオルも風呂上がりに着る服も、全部カゴに入れた。

洗面所のドアを閉めて、服を脱ぐ。


俺の家は、洗面所の奥に風呂場がある。

どの家も同じだろうけど。


彼女が間違って洗面所のドアを開ければ、俺の人生は終わる。

不安になりつつ、風呂の扉を開けたが、彼女がドアを開けることは無かった。



彼女が待っている中で、湯船に浸かれる訳が無い。

(まず、湯貯めてねぇからなぁ)


俺はシャワーのレバーを捻る。

「冷たっ！」

湯の方しか捻っていないのに、冷水しか出ない。

あるあるだ。


段々と温かくなり、水の方を捻った

つもりだった。


「あっつ！！」

何故か、思い切り湯の方を捻っていた。



冷たかったり、熱かったり…。

今は深夜。

大声出すな、俺。


(慌てるな慌てるな…)

彼女が作ったご飯を早く食べたい。

そんな俺の気持ちが勝っていて、さっきから失敗の連続だ。


シャンプーで頭を洗っている時に、ふと考える。

彼女とは恋人関係になったのだ。


近い内に彼女の親わに挨拶しないといけない。

(優しい人だといいけど…)

「仕事は？」と聞かれて「YouTuberです！」と答えれば、大半の人間は断るだろう。


その難問を突破すれば、同棲。

彼女が起こしてくれる、手料理も毎日食べられる、寝る時も一緒に寝てくれる。


いつか「ご飯にする？お風呂にする？それとも…私？」とかも言ってくれるかもしれない。

(直ぐにAって言うだろうな…)

ここまで上手く行くとは思っていないが、妄想は膨らむ。



(そろそろ流すか)

シャワーを捻ったが、その頃には遅かった。


シャンプーが目に入ったのだ。

流石に声が出る程では無いが、ヒリヒリして仕方が無い。


髪も目もしっかり洗い流して、体を洗い始める。


腹を洗っている時に、また思いつく。

(Aってどんな体が好きなんだろ？)

筋肉でバキバキに割れてるマッチョか？

やはり細マッチョとかか？


散々悩んだが、結局分からない。

(本人に聞くのが1番だよな)

俺は考える事を止め、体を流して風呂場を出た。

求められる→←オムライス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す