お礼 ページ12
「全然良い。むしろお願い」
俺はそう返した。
彼女が俺に引くなら、既に引いている。
俺の動画だって見ないはず。
そんな考えが頭に過り、恥ずかしさというのは無くなった。
「お願いって…」
彼女は苦笑いをして言うが、やはり嫌悪感を抱いているようには見えなかった。
「じゃあ、待ってて」
俺は笑顔で自分の部屋に向かった。
どの服を貸そうか…。
どれを着ても可愛いだろうな…。
そう思うと、全然決められない。
というか、まともな服がほぼ無い。
学生達がユ○バーに着ていくやつばかりだった。
コスプレみたいな。
逆にまともな服といえば、思いっきりメンズもの。
流石にコスプレさせて寝させるなんておかしな事はしない。
俺は一番まともそうな服を彼女に私に行く。
(つーか、まともな服って何だよ)
「これでいい?」
そう聞くと、彼女はうんと頷いた。
「何から何までありがとう」
彼女はお礼を言ってくれたが、俺は普通に返すつもりは無かった。
「全然いいよ、お礼なら後で貰う」
「え?」
彼女が赤い顔で困っていたが、俺は風呂の方へ無理やり誘導した。
「話なら後で聞くから…ね?」
俺だってずっと耐えられるわけが無い。
彼女の表情、仕草、優しさ…。
だから、今のは自己防衛。
1日目からこの関係を崩したくない。
そう思うのは、おこがましいだろうか。
・
Aside
彼の家のシャワーで体を流す。
(あー、借りちゃったな…)
いきなり家に泊まって、お風呂も服も借りるなんて思いもしなかった。
仕方が無いと言えば、仕方が無いが…。
(そういえば、さっきのって何だろう…)
『全然いいよ、お礼なら後で貰う』
後で貰う…?
私は何も持っていない。
なら何を?
少し恥ずかしい事を考えてしまったが、それは無いと思う。
彼はそんな事をする人間ではないはずだ。
(言う人間ではあるけれど…)
私は、考える事を辞めた。
後で貰うと言ったのだから、後で答え合わせが出来るだろう。
1人悩んでいても、時間の無駄だ。
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ツナおにぎり - はじめまして!やゆりさんの小説読ませていただきました!なんだか理想的な展開で、現時点の最後のところがすごい、なんか、めっっっっちゃいい!wすごい読んでいて楽しい小説でした!ありがとうございます^^ (2021年8月9日 17時) (レス) id: 2f5c5f7cda (このIDを非表示/違反報告)
_ましゅ.*。 - やゆりさん» 返信めっっっちゃ遅れて申し訳ないです!!やゆり様ぁぁぁぁお久しぶりです!!!おかえりなさいですッッッ!!改めて10000hitおめでとござまーす!私の小説もこの前1ヶ月放置しましたから大丈夫ですよ!wずっと応援してますのでやゆりさんのペースで頑張って下さい! (2020年12月13日 18時) (レス) id: 5bea49790c (このIDを非表示/違反報告)
やゆり(プロフ) - ▼あまね△さん» あまねさんお久しぶりです!!これからまたよろしくお願いしますー(*' ')*, ,)ペコリ (2020年10月30日 23時) (レス) id: db085b8aee (このIDを非表示/違反報告)
▼あまね△(プロフ) - おかえりなさい!!!!!!やゆりさまぁぁぁぁぁぁ (2020年10月30日 21時) (レス) id: 5e8d51ce7d (このIDを非表示/違反報告)
やゆり(プロフ) - しらはさん» ※このアカウントは私のアカウントで間違いないです (2020年10月30日 1時) (レス) id: db085b8aee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やゆり | 作成日時:2020年3月25日 18時