【スタマイ】捜査一課の女神様 (ページ41)

今日:3 hit、昨日:20 hit、合計:14,948 hit

４１ページ41

「二度とあんな真似をするな。頼まれて、俺のところに来たんでしょう？」

服部の言葉にAは目を見開いた。

そして誰よりも落ち着いた目に戻り、服部の手を重ねる。

「貴方の中のあの人は人の将来を勝手に決める人間ですか？」

服部は首を振った。

その答えを聞いてAは再び笑みを浮かべる。

「あの人が将来について聞いた時に、私は警察官になりたいと言いました。だから頼まれたんですよ」

よいしょと起き上がる。

「貴方達が警察官として働いている姿がとても輝いて見えたから。私もそうなれるかなって」

内緒ですよと笑う。

「もし、真実を知ってあっちの方が正しいと思ったら行ってしまうのかい？」

Aはきょとんとした。

「何処に」

「その人の方へ」

顎に手を当てて考える素振りを見せた。

表情は何を言っているんだろうという顔で。

「必要性がないですね。ついて行ってもきっと邪魔になるはずなんて手っ取り早くスタンドに失態をさせて解散させます。それでも時間稼ぎ程度なので、不慮の事故かなんか起こして耀さんとか関さんとか桧山さんのやる気を削ぎますね」

その方が早いですしとさらっと答えると服部と菅野以外の二人が蒼い顔をする。

「敵に回っていなくて良かったと心の底から思いますよ」

「そんな事できると思ってるのがまた」

Aは少し笑って立ち上がる。

「でもまぁ、最後まで付き合うと決めているので途中辞退になることはなるべくないようにはしますよ。どうしようもないときは仕方ないですけど」

「もし、この件が終わったら居なくなるのかい？」

「さっきからどうしたんですか。耀さんらしくない。そんな先の事は分かりませんよ。目の前の事に一杯一杯なのに」

服部も立ち上がりAの腕の傷を見ると何処か苦しそうな顔をする。

その顔にはっとしたあと難しそうな顔をした。

自信なさそうに再び服部の手を取る。

「図々しいかもしれませんが、勘違いかもしれませんが、私は耀さんが許してくれる限りは傍にいます」

一瞬時が止まった。

気まずくなり、顔を背けたときには服部の腕の中にいた。

「そんなこと言っていいの。離してあげられないよ」

「こんなに温かいのを知ったら離されたくないですよ。立ち直れなくなりそう」