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その日の現場で菅野、泉は唸っていた。
「泉でも駄目だったのか」
冷静な青山の声に泉は救いを求めるように視線を送る。
「やっぱり私だけでは警戒心を解くのが厳しいと言いますか……」
今回の被害者は女性。
警戒心が強い上に男性恐怖症もあるそうだ。
それで泉が事情聴取に駆り出されたが今のところ何一つ情報を聞き出せていない様子だった。
「うーん。耀さんに1人女性警官で空いている人いないか聞いてみる」
菅野はそう言ってスマホで連絡を取り始めた。
「全くの部外者は困るからな」
「分かってますって。あ、お疲れ様です。耀さん。実はですね……」
と事情を説明する。
大体の事情を聞かされて何か指示を出したらしく菅野は戸惑っていた。
「え。いいんですか。今日お見合いで有給でしたよね。半日にするってことじゃなくて……確かに現状一番頼りになる人ではありますけど。毎度ほっぺたに紅葉作って来るから悪いなーって」
苦笑いを浮かべるがすぐに折れたらしく連絡を切ってすぐに別の番号にかける。
「えっと……お見合い中って」
「あ、家の事情でいつもの事だから大丈夫。いつも途中で応援か何かで退場してるし」
「それは本当に大丈夫なのか？」
大丈夫ですよーと笑っているうちに繋がったらしく菅野は軽く事情を説明して応援を求めた。
連絡を切って親指を立てた。
「もう少ししたらその頼りになる人と耀さんたちが合流してくれるみたい」
泉と青山はそれぞれ戸惑いの表情を浮かべたままだった。
30分程立つと服部、朝霧、荒木田の三人が合流した。
「青山が居ながら何一つ効き出せていないとは何とも情けない」
という朝霧の台詞からいつもの二人の喧嘩が始まる。
「あの、今から来る人というのは」
「飯島A。捜査一課の一人でスタンド候補者だった。警視庁の力が強くなるから外されたけどねぇ。マトリちゃんが学ぶことは結構あるんじゃない？」
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作者名：弥生 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時：2022年4月22日 0時
