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アーサー「A様……ですよね?」
Aは少し驚いた顔をした。
A「確かに。そうだけれど君は……いや待て、ここ数十年でここまでの銀髪は……あぁ」
どうやら思い出したらしく肩を震わせる。
A「アルミラージに食われてたわんぱく坊やか。随分と男前に育ったなぁ」
オズ「待て。食われたとは?」
アーサーが恥ずかしそうにポリポリと頬をかく。
A「おや?オズに正直に言わなかったのかい」
そういいながら双子のほうを見ると二人ともあからさまに目をそらした。
スノウ「あれは、一瞬じゃった」
ホワイト「そうじゃ、オズもよくやっておったではないか」
アーサー「あれは私がアルミラージを雪ウサギと勘違いしてしまったゆえの出来事です」
ですから責めるなら私を、とアーサーが懇願しているとオズはため息を吐いた。
オズ「……傷は」
アーサー「たまたま通りがかったA様が手当てしてくれたおかげで傷跡一つ残りませんでした!」
見てくださいと腕をまくると傷跡一つないきれいな肌があった。
オズはじっとそれを見てからAを見た。
A「おや、私は本当に偶々だよ。繁殖期だったから子ウサギのほうが欲しくて来ただけだからね。まさか子守をする羽目になるとは思わなんだ。大体、オズの魔力を感じておいて余計なことをするわけがないじゃないか」
さすがにそこまで命知らずじゃないと首を振ってからアーサーの腕をじっと見て満足そうにうなずく。
A「北の国では弱い者から食われる。たまたま、その時の弱者に坊やが選ばれただけさな」
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作者名:弥生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時:2022年2月2日 17時