【まほやく】御伽噺のような (ページ13)

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西の国でシャイロックの店が開くとそれとなく魔法使いたちがあつまる。

A「ふふ。運が良かったみたいだ」

「お、こりゃ珍しい。」

A「久しいね」

といいながらカウンター席に座ってお酒を飲み始める。

シャイロック「最後に来たのは何百年前だったでしょうかね」

といいながらそのお酒にあうつまみも出す。

A「ここ最近あちこち飛び回っているからねぇ」

そう言いながら瓶をいくつか出してシャイロックに渡す。

シャイロックは瓶を開けて香りを嗅いだ。

シャイロック「これは、よい蜂蜜酒が作れそうだ」

A「また数百年後にのみに来られるように」

他にも珍しい食材や香りづけのものも渡す。

シャイロック「おや、こんなに」

A「東の坊やにも」

にこりと笑ったシャイロックはそれをそのまましまった。

シャイロック「最近、魔獣や動物たちの依頼が少ないと思えばあなたでしたか」

A「どうだろうね。一人旅だからそこまで影響はないとは思うけど」

幾らかぽつぽつ雑談をして一杯の蜂蜜酒を飲み終わると立ち上がる。

A「ふふっ。君達とは何かと縁がありそうだ。可愛らしい坊や達によろしく」

シャイロック「えぇ。また近いうちに」

にこりと笑うと消えた。

シャイロック「さぁ、蜂蜜酒のサービスですよ」

古い客はグラスを持ってシャイロックに近づいていく。

「あの客は一杯しか飲まないのかい」

シャイロック「無粋な問いはおやめになってください。貴方もいかがですか？」

扉が開くとフィガロが居た。

フィガロ「そろそろかな、と思ったけど」

シャイロック「えぇ。丁度今おかえりになったところです」

新しいグラスを取り出し蜂蜜酒を注ぐ。

フィガロ「相変わらず甘そうな色だ」

フィガロはそのままAが座っていたカウンター席に腰を落とす。

シャイロックは先ほど貰った食材からつまむものを作って出した。

シャイロック「割りましょうか？それとも口直しのものを？」

フィガロ「それは要らないことぐらい知っているだろう？意地悪だな」

シャイロック「普段の仕返しですよ」