ク レ ヨ ン 【文豪ストレイドックス】

じゅういっぽんめ ページ12

「何でここにクレヨンが……？」

中島はこのクレヨンに違和感を感じたが捨てるのもどうかと思い
ズボンのポケットにしまう。

「もうそろそろ仕事に行かないとな」

流石に寝てしまったのは失敗だった。
と、頭の中で猛烈に反省しながら医務室のドアノブに手をかける。



＿＿＿その時


「ッッ！？」

突然身体が粟立ち、冷えていく。

悪寒、というものだろうか。

つい先程まで何事も無かったはずだ。

はず、なのだ。


中島は白が眠っているベッドの方に顔を向ける。


「…え？」


眠っているはずの白がいなかった。


中島はいきなりの事でなかなか頭が追いつかず状況が整理できなかった。






そのせいだろうか。






徐々に、じょじょに、頭がふわついていく。



まっしろになっていく。



目の前があかいような、くろいような、しろいような



あれ、なんだろう………





なんでアノコは笑っているんだろう………？








かなしいあかい目で僕を見……て…………









消えゆく視界の中で目の前にいる赤の少女は




「ひろっちゃったね」




白の彼を悲しそうに見ていた。

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