醜い ページ5
彼が出て行ったのを見届けて、黙々と朝ご飯を食べる。
吐きそうになる、沢山作ったから。
それでも食べる。
バチが当たる。
捨てるなんて、そんな酷い事なんて出来るわけが無い。
私は彼のようにはなりたくない。
例え死んだとしても彼のように堕ちたくなど無い。
聞いた話、鬼だって人を残らず食べるとか。
快楽の為だけに殺して楽しむ奴もいるみたいだけど。
じゃあ、彼は鬼以下だ。
外では何人もの人を救っている、快い好青年だとしても。
甲とか、何とか言って自慢もしていたけど。
私にとっては、私と同じくらい醜いわね。
そう考えて私はいつも安心している。
心の黒い部分が白い部分をあっという間に覆い尽くしそう。
嫌気が差す。
炭治郎と会っている間はこんなこと考えなかった。
ずっと綺麗な私でいられた………気がした。
心が浄化された。安らいだ。
炭治郎に、救われていた。
炭治郎と一緒にいれば、私が普通の女の子になれたみたいで、嬉しくて。
結局想い人でさえも利用していたなんて、
ほんとに大嫌いだよ。私。
最低な、私。
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作者名:雫 | 作成日時:2020年11月22日 19時