11話 ページ13
ぱたん、とダンボールを閉め、ガムテープで口を塞ぐ。
今日、4年間身を隠したこの家を出る。
ウチの奏恵と萃瑠は凄く良い子だったから、壁にシールが貼ってあるとか、壁に絵が描いてあるとかは無い。かなり綺麗な状態でここを出る。
立地も良かったし、広さもあった。
部屋数も狭くはあるが、奏恵と萃瑠が将来一人部屋を希望した時に対応出来る数はあった。
もう少しお金に余裕が出来たら買おうと思っていたのだ。
「A、準備できた？」
廊下からリビングに繋がる扉を少し屈んで入ってきた悟君。
奏恵と萃瑠も少しだけ打ち解けたみたいで、今は悟君の足にくっ付いている。歩きにくそうだなぁ、あれ。
「あとはこのダンボールだけ。悟君持ってくれる？」
「もっちろん！」
【夏服A】と書いたダンボールを悟君は軽々と持ち上げる。
かなり大きいダンボールだった筈なのに、悟君が持つと小さく見えてしまう。
ダンボールを車に積み込むために戻った悟君。奏恵と萃瑠はいつの間にか悟君から離れて私の傍に居た。
「まま、これで終わり？」
「うん。それじゃあ、2人もリュック持ってね。」
「はぁい！」
元気に駆けていく2人は、程なくしてそれぞれのリュックを持って戻って来た。
小さい子はキャラクター物のリュックを使うのかと思いきや、2人が選んだのはシンプルな物だった。
奏恵のリュックは黒色で、萃瑠のリュックは白色。
髪の色とも相俟って、モノクロのフィルターを使わ無くてもモノクロの写真が撮れてしまいそう。
リュックを担いだ2人の手を引いて最後の確認をする。
忘れ物は特に無いようで、そのまま玄関まで向かう。
補助監督の時から履いていた、黒色のパンプスで家を出る。
鍵を閉め、大家さんに鍵を渡せば終わり。
「奏恵ちゃんと萃瑠くんが居なくなるのは寂しなるねぇ」
「それ、皆さんに言われました」
大家さんと話せるのもこれで最後。
奏恵も萃瑠も大家さんに懐いていたから、お礼を言わせないと。
「2人共、大家さんにありがとうございましたは？」
「おじちゃん、ありがとうございました！」
「ありがとぉ！」
「おうおう、大きなったら顔見せなよぉ。」
よしよし、と頭を撫でてくれる大家さん。
最後にありがとうございましたと言い、その場を後にした。
向かう先はどでかいリムジン。やめてよそんな車。
ガラリとスライドドアが開かれ、中から出て来たのは悟君。
リムジンから出てくるイケメン。
こんな住宅街で真昼間じゃなかったら国傾けてたかな。
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朧 - まって想像以上に良いなこれ(←どんな想像してんだよ)おはこんばんにちは！すみません…めっちゃ良いです!死ぬ前にミタカッター(←死んでねーだろ。)あ、更新頑張って下さい！ (2021年2月15日 19時) (
レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
つんつるてん - 雪かきお疲れ様です！！！！！ 応援してます(^ω^) (2021年2月10日 20時) (レス) id: 995c220f16 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 娘が転生者は新しくて面白いですね！ (2021年2月8日 16時) (レス) id: bf2406d80e (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 居ますよね、こんな夢主 笑 (2021年2月8日 0時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - いつも見てます！受験頑張ってください！！応援してます！！無理しすぎないでくださいね！！ (2021年1月23日 15時) (レス) id: 39ef0a72f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momo | 作成日時：2021年1月4日 16時
