43 ページ4
｀
￣￣￣￣￣￣
ヴィラン連合拠点にて、体育祭潜入前。
雄英内部から協力者を募るという方針について議論が交わされていた。
黒霧「内部など難易度が高すぎやしませんか？確かに内部関係者の方が何かと融通が効くのも確かです。しかしそう易々と協力者が手に入るとは思えませんよ」
落ち着いた口調で、だがしっかりと発言する黒霧は、影住の案に些か不満があるようだった。
つまり反対派である。
出久「そりゃあ出来たらいいな、とは思うけど…わざわざヴィランに協力するとは思えないです。まあその辺りはフェイクとして何か用意するんでしょうけど…。それでも僕は危険だと思います」
そして出久も、今回ばかりは慎重になるべきだと論じて止まない。
敵陣営に直接コンタクトを取るなど愚策であるという事なのだろう。
しかし影住はどちらの声もほとんど耳に入れていなかった。
何故ならそんな思考など、随分前にブレーンストーミングとして彼自身が行っていたのだから。
解決済みの問題をあたかも欠点のようにつつかれても、影住は痛くも痒くもなかったのだ。
だから彼は余裕を持って、なんなら微笑みすら添えて自身の計画の詳細を語ってみせる。
『聞けよ、まだ詳しい事は何も言ってないでしょ。
…もちろんフェイクは用意済みさ。雄英内部にツテを作るのは危険だし、慎重にことを進めるべきだと俺も思った。だからヴィラン連合ではない全く別の組織を用意する必要があった。これがまず第一段階だね』
左手の人差し指をぴっと立て、彼は語る。
死柄木は終始押し黙ってそれを聞いていた。
『俺は組織を"会社"として設立する事にした。だからそれに応じてメールアドレス、電話番号、ウェブサイト。そして有事の際の名刺も作成済み』
『あとは…場所も』
影住は影から1枚のファイルを引っ張り出し、そこから今述べた順に資料を並べた。
最後に取り出した資料には住所と建物の契約書、そして小さな領収証が同封されていた。
『ここからの協力依頼として、生徒を釣る』
黒霧「これはこれは…」
『どうにも完璧主義な人間でね。そんな俺が計画するんだから完全犯罪を目指すに決まってんだろ』
それ以外有り得ないとばかりに告げる影住の口元は弧を描き、彼の計算高さを伺わせる。
『それと。
いいかい、この"後始末"には失敗がない。どう転んでも成功するように、出来ているからね』
彼の計算は終わらない。
￣￣￣￣￣￣￣
協力依頼
報酬は"個性"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 613人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ディちゃん(プロフ) - その轟君を私にくれ (2022年3月13日 22時) (
レス) @page38 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
じぇへな - このほの暗い?ダーク？感がすごくすきです。これからの展開も楽しみに待ってます (2020年1月2日 17時) (レス) id: 31019885e4 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます。これからの展開も楽しんでいただけると幸いです (2019年11月26日 1時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 途中から轟が洗脳されてる…いいですね〜笑 (2019年3月10日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - にあさん» コメントありがとうございます。随分お待たせしてしまいましたが更新しました。よろしくお願いします (2019年2月9日 13時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にらもやし | 作成日時：2017年11月18日 12時
