【闇堕ち】ヴィランのヒーロー2【ヒロアカ】

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『…頭回せや』


荒れた口調だった。
"上に立つ"という自覚と責任感の感じられない死柄木に対し、相当な苛立ちが蓄積されていたのだろう。


『………』

死柄木「………」


噛み付くような鋭い視線から、僅かな殺意が垣間見えた。
一応、崩してしまわないようにと離している死柄木の小指がピクリと揺れる。


『てめぇで考えろ。間違っていたらまた考えろ。合っていたらその先を考えろ。常に考えろ。思考をやめたら死ぬぞ』


微かに迸る電流が、影住と死柄木の周囲を駆け巡っていた。
バチバチ、パチパチと。


『それが出来なきゃ今ここで死ね』

死柄木「ヴィラン連合への、先生への謀反だぞ」

『無能を消して何が悪い』

死柄木「お前、」

『それが嫌なら示してみろ。お前の有用性を俺に示せよ、力でもって主張しろ。出来んだろ？なぁおい』


引き下がらない影住は徹底的に噛み付き続ける。
それが死柄木への乱暴過ぎる鼓舞か否かは不明であるが、死柄木のくすんだ闘志に矮小ながらも火を付ける結果に繋がった。


死柄木「あぁいいぜやってやる…！やってやるよクソ野郎！」


死柄木は小指を折り畳み、胸ぐらを再び強く掴み直した。
ぱらぱらと、影住のコートの首元が崩れる。


死柄木「後悔するなよクソ野郎」

『うるせぇチキんじゃねえぞクソガキ』


彼らは互いに凶悪な笑みを浮かべている。

バチバチ、ぱらぱら。
電流と崩れる音だけが二人を包み込んでいた。





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『浅慮な奴は扱い易いから良いよね』

彼は後に出久にそう語った。
死柄木ははぐらかされたことに気が付かなかったらしい。




俺と私の使い分け。
公私混同は感情による成功と勝利への妨げになる。

個人的な意見ですが、その辺りを徹底出来る人は素直に尊敬しますし、何より信頼に足る人だと思います。

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