世界一すてきな誕生日 ページ9
「えー! ウソやろぉ!?」
章ちゃんは慌ててそう言って、「もっとはよ言うてくれれば、プレゼントとか用意したのにい!」と慌て、
店員さんにシャンパンを頼んでくれて、歌を歌ってお祝いしてくれた。
「ハッピバースデー、ディア…ミニAちゃーん!」
語呂が悪いのに無理矢理言うから、私はうれしくて面白くて、手を叩いて喜ぶ。
「そっかあ、ミニAちゃんも二十歳かあ…まだまだこれからやんな、なんでもできるなあ」
なんて、章ちゃんは、おじさんみたいなことを言う。
ねえ章ちゃん。
私、大人になったんだよ。
それは、三年ぶりに 一人ぼっちじゃない、特別な誕生日の夜だった。
胸が高鳴る 誕生日プレゼントをもらったのも、あれ以来だった。
ーーー神様、ありがとうございます。
小さい頃、海の神様を祀るお祭りで、一生懸命太鼓を叩いていたことを想い出す。
あの時、手にマメを作りながらがんばって、本当によかった。
「ミニAちゃんは、いつこっちに出てきたん?」
ひとしきりお父さんや実家の話をしたあと、話題は今の私の暮らしに及ぶ。
「…大学に入ったと同時に、上京して。うちも、この近所なんです」
そう言うと、章ちゃんは「うちもこの辺やで」と驚き、
私の大学名を聞いて、「東京の大学ってよう知らんけど、僕でもわかるとこなんて、ミニAちゃんは賢いんやなあ」と褒めてくれた。
私は、有頂天だった。
時間は23時を回り、章ちゃんは「そろそろ帰らな、僕が親父さんに怒られるわ」と言ってお会計をする。
私はお財布を取り出すけど、章ちゃんが「ええって、誕生日やし」と言ってくれたので、きちんとお礼を言って、お言葉に甘えることにした。
店員さんにサッとクレジットカードを渡す章ちゃんは、かっこよかった。
帰り道。
私はうちのボロアパートを見られたくなくて、「送ってこか?」という有り難い申し出を断る。
やっと会えたのに 名残惜しい気持ちでいっぱいだったけど、
三日後、ジャケットのクリーニングも終わるから。
……すぐに、また会える。
そう思って、何回も何回もお礼を言って、私は章ちゃんにバイバイする。
章ちゃんも「バイバイ」と手を振ってくれるから、
私は、世界中が誕生日を祝ってくれているみたいな気がして、
街を歩く人すべてに抱きついてお礼を言って回りたいと思った。
507人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまご(プロフ) - まれなさん» まれなさま、コメントありがとうございます!まだ書き始めて3.4ヶ月しか経っていない新米作者ですが、楽しんでいただけているならよかったです…!今後とも何卒よろしくお願いします^ ^ (2018年4月8日 23時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
まれな(プロフ) - いつもたまごさんのお話楽しみにして読んでます♪ 普通とは違う感じでまるで本当の小説を読んでるような感じがして本当にはまってます!!これからも期待してます!! (2018年4月8日 22時) (レス) id: 77816b1cc4 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、コメントに気づかずレス遅れて本当にごめんなさい!!失礼しました! 励ましていただいてうれしいです…なかなかうまく書けないですが見習ってがんばります! 引き続きよろしくお願いします^ ^ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たむこ(プロフ) - たまごさん» 先輩作者だなんてとんでもないです(T_T)まだ稚拙な文しかかけない新参者ですので...!これからもご無理のないようにたまごさんのペースで書いてくださいね(^^) (2018年1月22日 16時) (レス) id: 5f35bba986 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、うう、有り難いコメント本当にうれしいです。前作は処女作らしく勢いで書けたんですが、今回難しくて悩みながら書いてます…たむこさんのように先輩作者さんたちの偉大さを思い知っております。。。今後ともよろしくお願いします! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たまご | 作成日時:2018年1月16日 14時