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投げられた難問 ページ41

「亮、かっこええやろ」



錦戸さんがお手洗いに立った時、章ちゃんに言われる。


「ミニAちゃんに怒ったのも、亮の優しさからやったことやねん…許したってくれんかな」

「…わかってます、本当に、素敵な方ですね」



私が閉じられた個室のドアの向こうを見ながらそう返したら。




章ちゃんが急に立ち上がり、私の隣に移動してきた。




「……亮のほうが、ええなと、思った…?」

「……いや、まさか、そういうんじゃない…」




章ちゃんは ふーんと小さく言う。


…しまった。

私は…テストの解答を、間違えたのかもしれない。



焦って両手を振り否定すると、

章ちゃんが「ん」とくちびるを突き出す。





「なら、キスして」

「え…?」



これは、冗談…?

それとも、本気…?


酔ってるのかな…


どうしよう、ここ、お店だし…




「早くせな、亮 戻って来てまうで?」




そう言われると……

もし見られたらソファの隣に座っているこの姿勢だけで、何か勘づかれそうな気がしてくる。




これは、何が正解なの……?



胸のどきどきが、
目の前にいる章ちゃんへの恋心のせいなのか、
答えのわからない焦りからくるのか、

錦戸さんに見られてしまうかもという羞恥心からくるものなのか、
もうわからないほど、私は混乱していて。




「ええの?」


それでも章ちゃんは、私を追いつめて逃がさないから。



私は恥ずかしさと気まずさと、いろんなものに押しつぶされそうになるけど、
選択権なんてなくて、時間もなくて、

意を決して、えい、と、

音もしない へたくそなキスをした。





「…よくできました」




章ちゃんはさっと私から離れ、元居た席に戻る。



……正解、だった……?



その瞬間 錦戸さんががらりと扉を開けて戻って来たから、



「ミニAちゃん、そろそろ戻ったほうがええんとちゃう?」


と章ちゃんは言い、


「ほな、頑張って」と、錦戸さんに声をかけられながら、

私は慌ててフロアに戻った。


赤い顔を悟られないよう、必死で
うつむきながら。

気持ちの名前【Side青】→←意外な客人



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たまご(プロフ) - まれなさん» まれなさま、コメントありがとうございます!まだ書き始めて3.4ヶ月しか経っていない新米作者ですが、楽しんでいただけているならよかったです…!今後とも何卒よろしくお願いします^ ^ (2018年4月8日 23時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
まれな(プロフ) - いつもたまごさんのお話楽しみにして読んでます♪ 普通とは違う感じでまるで本当の小説を読んでるような感じがして本当にはまってます!!これからも期待してます!! (2018年4月8日 22時) (レス) id: 77816b1cc4 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、コメントに気づかずレス遅れて本当にごめんなさい!!失礼しました! 励ましていただいてうれしいです…なかなかうまく書けないですが見習ってがんばります! 引き続きよろしくお願いします^ ^ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 42d81ca1be (このIDを非表示/違反報告)
たむこ(プロフ) - たまごさん» 先輩作者だなんてとんでもないです(T_T)まだ稚拙な文しかかけない新参者ですので...!これからもご無理のないようにたまごさんのペースで書いてくださいね(^^) (2018年1月22日 16時) (レス) id: 5f35bba986 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - たむこさん» たむこ様、うう、有り難いコメント本当にうれしいです。前作は処女作らしく勢いで書けたんですが、今回難しくて悩みながら書いてます…たむこさんのように先輩作者さんたちの偉大さを思い知っております。。。今後ともよろしくお願いします! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作成日時:2018年1月16日 14時

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