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さよならのシーン【緑】9 ページ1

「ーー…」



彼女は怒ってはいなかった


ただ、ぐっと何かを堪えているようだった



零れ落ちる直前の

何かを我慢しているような揺れる瞳で俺を真っ直ぐに見上げ



…その顔に、俺の腰が痺れるーー…




「ーー…たいよ」


「えーー…?」




「…わたしは、大倉くんにさわりたい」



「ーー…」




ーー…頭ん中で決壊する音がした、俺は


俺は彼女の肩を抱き出てきたトイレん連れ込む、後ろ手で鍵をかけ壁に押し付け

気づいたらキスをしとってーー…




覆いかぶさるように彼女を窒息させそうな


「んっ、ーー…」


「は…っ、」



濡れた小さな舌が、俺ん舌と


深く、絡む



熱いーー…





「っ…、なんでーー…」


…こん時、“なんで”言うたんはどっちやったんやろうーー…?



多分お互いがお互いに、自分に対してもそう疑問に想いながらーー…





「んんっ…ーー、」


彼女の両腕が俺ん首の後ろに周り


俺の右手は彼女の後ろ髪に深く潜り込むーー…




「ーー…はっ、」



トイレん照明は無駄に暗かった

絡んだ舌がぬるりと離れ



…唇を離した俺は前屈み


額を彼女の額にくっつけたまま


ふたりで密かに息を整え合う…



目を伏せる彼女の睫毛が、俺ん影の中で震えるように瞬く…




「ん…、」



そう、

喉ん奥で声を漏らすと、


彼女はゆっくりと視線を上げて…



「ーー…」



瞳が合った瞬間、俺はまた吸い寄せられるように唇を開きキスをするーー…



「はっ…、」


…わからんかった、なんで決意も自制も瞬時にぶっ飛んでもうたんか



「んっ…ーー」




俺はそんなにこいつんことが好きやったんやろうかーー…?





互いん身体中に両腕を這わせながら


唾液が零れ落ちるほどに交わり





…こういう時ほんまに理屈やないんやなと俺は、知った

さよならのシーン【緑】10→



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Aki(プロフ) - 初めまして。たまごさんの作品には芯と真があって、心を抉られながらもその毒性ある棘を触ってしまいます。素敵な物語、されど味わったことのある表現できなかった過去の感情が溢れてきて、気持ちの整理が少々追いつきませんが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年10月24日 1時) (レス) id: 25a44a4956 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 『さよならのシーン』 うまく言えないけれど、切なさで胸がドキドキして泣きそうでした…素敵なお話ありがとうございました♪ (2019年10月23日 3時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - つい一気読みしてしまいました。切なくて胸がいっぱいになりました。たまごさんの作品はいつも心にスッっと響くものばかりで感動しています。次の作品も楽しみにしています。 (2019年10月23日 1時) (レス) id: cfcb601f80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作成日時:2019年10月22日 23時

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