めんどくさい女の子【Side青】 ページ14
その夜は、延々とキスをしたあと、しばらくベンチでAちゃんと手をつなぎ、じっと二人で黙っていた。
時計見たら朝が近かったけど、夜が明ける気配なんて微塵もない。
…もう、冬も近いんや。
こんなとこ撮られたら終わるなということはわかっとったけど、その時僕に他に選択肢はなかった。
正直に言えば、このままAちゃんを持って帰ってしまいたかった。
普段は絶対に女の子を入れへん 僕のとっちらかった部屋に迎えて、黒いタートルのニット脱がせて その細い首に口づけたかった。
暖房の効いた部屋で裸になっていく彼女を、ベッドから逃がさずこの腕の中に閉じ込めてしまいたかった。
でも。
ただでさえ自分のこと無駄に責めがちなこのめんどくさい女の子を勢いで抱いたら、ますますわけのわからん自己嫌悪に陥らせそうやろ。
真面目って、ほんま損やなぁ。
黙りこくってる間、僕がそんなアホなこと考えとるなんて思いもしてないであろうAちゃんが、久しぶりに口を開く。
「……私…前にヤスくんに、彼の周りにいた女の子たちは、彼より自分のことが好きだっただけじゃないかって……言ったよね」
「…うん。なんやっけ、渋やんに会えなくなることより…自分の存在知ってもらいたいとか、そういうの優先してまう時点で…みたいなアレやろ?」
「…うん。私も結局、自分のことのほうが、大事だったのかもしれないなって」
「そんなことないんとちゃう? 無理矢理僕が『知っといたる』言うてこじ開けただけやし…」
「ううん、違うの。ヤスくんが聞いてくれて…私、結局浮かれてたんだよ。それに…今になって思えばね、わきまえてるつもりだったけど、私、どこかでうぬぼれてた」
「うん?」
「他のバカな女の子たちとは違うんだって。そう思うことで優位に立って、つまらないプライドに支えられてただけだった。…一番、かっこ悪いね…」
僕は溜め息をついた。
ほんま、なんでこんな理屈っぽいんやろなこの子は……。
「……今の間、そんなこと考えてたん? ほんまめんどくさいなぁ…!」
「…え?」
「僕が何考えてたか教えてあげよか。
こんままAちゃん 家に連れて帰って、無理矢理抱いてまいたいなーって思ってたで?」
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たまご(プロフ) - ななさん» なな様、うれしいコメントありがとうございます^ ^ すばるくんとの旅行、一緒に楽しんでくださいね^ ^ (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、いつもありがとうございます! 青さん派のあくあさんには申し訳ないですが、不器用すぎる赤さんとの旅行、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです! (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - psycheighterさん» psycheighter様、コメントありがとうございます^ ^ 有り難いお言葉、うれしいです…! 彼らも大人なので、こんな恋愛していてほしいという、私の願望が詰まっておりますが…笑、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。 (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 今1番更新が楽しみな小説です。私はすばる担なのですばるくんと幸せになったらいいなぁとドキドキしながら読ませて頂いてます! (2018年1月11日 0時) (レス) id: 6cdacb0f72 (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - ほんと不器用すぎて切なすぎる。けど、それも赤さんっぽさが出てていい。あぁ〜映画化してほしい。笑 (2018年1月10日 23時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまご | 作成日時:2018年1月2日 17時