国境を越える旅【橙】7 ページ7
身体は、熟しきっていた
熱くて
私の腰の下には、彼のかたくなったものが当たっているのを感じていたし
自分が、どれだけ欲し疼いているかは、自分自身がいちばんよくわかっていたし
「ーー…」
鳴り止まぬ鼓動を感じながら、でも、逡巡
…これ以上、この場所で、進んでしまうことが
立場を、忘れて
満足に動けるはずもない、この場所で
彼の左手も、迷ったように…ゆっくりと私の背中を、撫で続けていた
ーー…
「ーー…!」
飛行機が一瞬、がくんと揺れた
このまま乱気流に突入したらどうしようかと焦るけれど…それはすぐに収まり
少し落ち着いた動悸がまた激しくなり、私は咄嗟に彼の身体にしがみつく
その身体の厚みを、肩幅の広さを、今更ながらに感じた時ーー…
ぎゅ
彼の両腕が私をきつく抱く 鼓動がまた強く重なり合う
「……」
ーー…もう一度ゆっくりと顔を上げると
毛布の隙間から彼はこちらを見下ろしていて
「…こわい?」
小さく、口を動かした
ーー…しがみついたのは怖かったからじゃなくて
早く自分の席に戻れと叱られているようで
ーー…でもそんな私を彼は優しく甘やかすから
まるで か弱い、女の子みたいに
…うそつきな私は小さく頷き
「…だから…」
見つめながら彼に囁く
…またひとつ、壁を壊すように
「…つづき、してください…」
ーー…彼の眼の色がまた変わると同時に
背中に回されていた腕が服の中に入り 肌を、直接、撫でていく
私はそれだけでぴくりと震え 毛布の中 身をよじる
「……」
首から上を外に出した彼が今どんな表情をしているのか私には見えないけれど
彼の手は確実に私の身体を這い
ゆっくりと右手が彼の上に乗る私との間、胸に
下着をずらし先端を親指がかすめた瞬間、また
「…っ」
飛行機が、揺れた気がしたーー…
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たまご(プロフ) - くりくりさん» くりくり様、お返事遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございました!ラスト駆け足になってしまいましたが、少しでも気に入っていただけたなら幸せです。今後ともよろしくお願いします! (2019年9月5日 4時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - まっきーさん» まっきー様、いつもありがとうございます!緑さんのお話、書いた当初は自信なかったんですが、今では結構好きなお話です。7人揃う日まで気長にお付き合い頂けると嬉しいです…! (2019年9月5日 4時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
くりくり(プロフ) - 初恋ごっこ、読み終えて胸が苦しくて愛おしい気持ちが溢れて一言お伝えせずにいられなくなりました。更新が待ち遠しいです! (2019年8月25日 15時) (レス) id: f2b0afbb33 (このIDを非表示/違反報告)
まっきー(プロフ) - どのお話も素敵でした!とくに大倉君のお話が堪らなく好きです(*´∇`*)最高です!!お忙しいとは思いますが、更新楽しみに待っています!! (2019年8月15日 20時) (レス) id: 76f56a80a0 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ひよりんさん» ひよりんさん!コメントありがとうございます、まさかひよりんさんに読んでいただける&コメントまでいただけるとは思わず二度見しました…!うれしいですありがとうございます、今後とも何卒よろしくお願いします…。゚(゚´ω`゚)゚。 (2019年8月15日 16時) (レス) id: 8c4f156e76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまご | 作成日時:2018年4月30日 14時