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70話 ページ32

「な、なんだお前!」


街から帰ってきた。
戻る頃にはもう夕方で、ちょうど夕食を作り始める時間帯だった。それに合わせて帰ってきたのだから、そのまま炊事場へと向かったはいいのだが…


「失恋でもしたのか!?」


まるでお化けでも見たかのような表情で僕を指差ししながら叫ぶのは同じ班員だ。


「……してないよ」

「いや、だってよ、お前、髪の毛どこいったんだよ」


何もそんなオーバーなリアクションしなくてもいいじゃないか。
彼の大きな声に集まった他の兵士達も僕の姿を見ては口を揃えて「どうしたんだ」「悲しいことでもあったのか」と肩を掴んでくる。



母が気に入っていた髪の毛を切るのは気が引けていたのだが、結局は切ることにした。

髪なんていうのは放っておけば伸びるし、何より壁外調査中に髪の毛が邪魔で巨人に掴まれて食べられました、なんていうのは御免だ。


適当に髪の毛を切ってくれるところを見つけて、担当になった店員にお任せでと言ったところバッサリと切ってもらった。
首元がスースーするし、前髪も切ってもらったから視界がとても開けて見やすい。


不思議がる仲間が鬱陶しいからさっさと炊事場に入ってドアを閉めてしまった。
既に下処理を始めてる同じ班の仲間も中にいるわけで、またまるでおばけでも見たかのような顔をされるはめになる。







「いやぁー!似合ってるねえ!!」


清々しい表情と声色で言うのはハンジさんだ。
夕食時間にリチェとロイドがこちらを訪ね、調査兵団の4班で食べないかと誘いを受けた。その時の2人も僕を見て驚いていたが、リチェが何やらショックを受けたようで「勿体無い!」と言っていた。


「ど、どうも。立体機動の時に流石に邪魔かなって思ったので」

「うん、賢明な判断だよ。それにもっと男前になったじゃないか」


どうしよう。男前という言葉に無性に嬉しくなってしまった。あまり言ってもらうことが無いからだろうか。


あ、そうだ。
隊長から何か買ってこいという命令があったのを思い出す。髪の毛を切った後に買ってあったのをすっかり忘れていた。


ある程度食事を終わらせたところでテーブルを抜け、同じ班員を連れて炊事場に向かう。

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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます、絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね!絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜!マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします!! (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです!!これからも頑張って下さい!応援してまーす!更新楽しみにしてます! (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やし野 | 作成日時:2018年3月31日 23時

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