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55話 ページ15

「ぁあー、そっか!それにAは小柄だしねぇ、リヴァイも小柄だけど全身筋肉ダルマだから」

「うるせえ」


不愉快そうに睨みつけて言う兵長に対して、ハンジさんはまたカラカラと笑っている。

確かに僕と兵長の身長は数センチの差しかない。しかし、やはり身体のつくりから大きな差が出ているんだ。


「Aは少し筋肉つけるためにトレーニングした方がいいかもね」

「分かりました」

「にしても本当に細いねぇ、訓練兵をよく卒業したよ」


そういいながら僕の手首を掴んで診察でもするかのようにじっと見られる。


「立体機動や対人格闘ではトップって聞いてたけど、本当に?」

「はい、一応。…あの」

「ん?」

「訓練兵時代の時も筋力トレーニングはしていたのですが、その、体質的にあまり効果が現れなくて……その場合はどうしたら」


入団当時も教官に言われて体を鍛えようと試行錯誤したのだが、目に見えた効果は見られなかった。

体に異常があるのかと病院にも行ったことがあったが、特に何かあるわけでもなく、こういう体質なのだと伝えられた。

しかしだからといって対人が出来ないという訳でもなく、昔ながらの戦い方で難なく乗り越えたのだ。


「ふむふむ、ちょっといいかな」

「はい」


そう言うとハンジさんは僕の腕をで首から肘、上腕へと両手で揉むように触ってくる。少しくすぐったい。


「……不思議だ、全く筋肉がない訳じゃないね、何だろう……柔らかい筋肉、というか、ばねのあるというか…薄っぺらいけど」


最後の言葉に少しショックを受ける。
ぺらぺらではない、と思いたい。


「そうだね、君自身の限界があるようだし、さっきもエルヴィンが言ってたけど、駐屯兵の仕事もあるからなぁ。ねぇエルヴィン、Aの仕事の調整も兼ねてまた話し合いした方がいいんじゃない?」


その提案にエルヴィン団長も納得しているようで、頷いてから「そうだな」と付け足した。


「A、君は明日の訓練を休みなさい」

「え」

「駐屯兵団の隊長とまた話をする、今後の予定もそれを踏まえて決める事にする」

「はい、分かりました」


自分自身疲れを感じていないため、まさかここまでの対応を取られて驚いた。
そんなに、顔色が悪いだろうか。

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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます、絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね!絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜!マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします!! (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです!!これからも頑張って下さい!応援してまーす!更新楽しみにしてます! (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やし野 | 作成日時:2018年3月31日 23時

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