24回目。 ページ24
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「?緑谷くん」
「はっ、はい!?」
「手、どうかした?」
手?と思いながら自分の手元に目を向ければ、
あろうことか、無意識にAさんの腕を握っていた。
一気に頬から熱が湧き上がる。
「ごっごめんね!?」
「う、ううん、大丈夫だけど…」
お互い顔を真っ赤にして距離を置いた。
朝から何やってるんだ…!と自分の頬を叩く。
「そ、それじゃ、教室ついたから。」
「えあっ、うん!また!」
「だから、緑谷くんキョドりすぎだってば」
いつもの笑顔が一番だよ、
Aさんはそう笑いながら僕の頬を優しく抓った。
また一気に熱が上がる。
やっぱり、彼女の笑顔は好きだなぁ、と考える。
彼女の笑顔を脳裏に焼き付けて、C組を去った。
..
「あいつの笑顔、なんか出てると思わねぇか」
「なんか出てる!?」
教室に向かう最中、轟くんが真顔で問いかけた。
体育祭以降なんだか丸くなった彼とは、ちょくちょく話す仲になった。
僕が驚いた顔で彼を見れば、涼しい表情で淡々と呟いた。
「出てるっつか…パワー与えてるっつか」
「あぁ、見たら元気になるよね」
「それだ」
轟くんも、Aさんとの関わりがあったのか、と今になって知った。
しかもちょっと親しげ。
柄にもないが、少し羨ましいと思った。
「なんか好きだ、Aの笑顔」
「へ!?す、」
「?どうした」
「え、いや、」
笑顔が、でしょ。何を勘違いしそうになってる。
でももし、轟くんがAさんを好きになってしまったらもう勝ち目はないんじゃないか、という不安もある。
「轟くん」
でも、簡単に渡したくない、という意志もある。
彼がAさんに対してそんな気持ちを持っているのかはわからないけど。
「僕の、だよ」
「?何がだ?」
「なんでもない!」
教室入ろう!と促すと、轟くんはわけがわかっていない顔をしていた。
でも僕は、なんだか言い切った気分だった。
ヒーローを目指して、
オールマイトに出会って、
一つの行事を積んで僕は、何かが変わった気がする。
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もこ(プロフ) - 更新しないのですか?この小説大好きなので停止されているととても寂しいです (1月10日 20時) (レス) id: a384d12671 (このIDを非表示/違反報告)
三条つかさ(プロフ) - わわ!!久しぶりの更新凄く嬉しいです!!ご自分のペースで、これからも頑張ってください!! (7月16日 0時) (レス) id: 7ed1c475b4 (このIDを非表示/違反報告)
三香美あっぽー(プロフ) - こんなにものすごくドキドキ&キュンキュンする小説に初めて出会いました。更新頑張ってください!応援してます (6月24日 10時) (レス) id: e6931b9a32 (このIDを非表示/違反報告)
ひなポン - 最高です。ありがとうございます。最新頑張ってください。めっちゃめちゃ期待してます! (6月16日 8時) (レス) id: 1cc1b8057e (このIDを非表示/違反報告)
ほこりくん(プロフ) - ああもうだめです好きですありがとうございます。デクはもともと好きでしたがさらに好きになりました。更新待ってます!!!! (4月2日 22時) (レス) id: a558f985dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八尋 | 作成日時:2017年10月12日 21時