22回目。 ページ22
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緑谷くんは、治療が終わるなりすぐに試合を見に行ってしまったらしい。
手術の手伝いをしながらほかの人の治療に当たっていると、気が付けば彼は外に出ていた。
この行動派オタクめ。少しは顔を合わせてくれても良かったのに。
表彰式が開かれた今も、私はムスッとした顔をしてそこにいる。普通科の立ち位置から体育祭を味わっていた。
緑谷くんは前の方にいるのかな。ヒーロー科だし、仕方ないか。
「なんでお前がそわそわしてんの」
「別に?」
「緑谷は表彰台立たねぇぞ」
「わかってるし…って、なんで緑谷くんなの!」
隣に立っている心操くんが、表情を変えることなく私にそう告げた。
表彰台を見つめて、私とは目も合わせなかった。
「わかり易すぎるから。」
私を軽くあしらう口振りで、目線の先は緑谷くんに向いていた。私と同じく彼を見ているようだった。
普段から、私が緑谷くんに恋心を抱いているのは恐らく心操くんにはバレていた。
だからこそ、いつもこうして緑谷くん関連で彼に茶化されることはあったけど。
「緑谷くん、さ、」
彼と戦った今なら、知って欲しい。
「持ってるもの、全部ぶち壊してくるでしょ。」
私がそう言うと、心操くんは小さく頷いた。
「お節介ばっかりで、自分のことはずっと後回しなの」
体育祭でも、そうだったよね。
最初は『僕が来たって証明する』とか格好良いこと言ったくせに、結局他人を優先した。
「そういうとこ、かな」
私が彼を好きなのは。
その一言を言わなくても、心操くんはわかっていた。ただ目を細めて、静かに笑った。
体育祭閉幕。
私のヒーローは、いつか必ずここの一番になる。その横顔を見ていれば、確信できることだった。
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百合(プロフ) - オワリ...end......終..........ヘッ、おわり????嘘でしょ...お気に入りして一生更新待ってます..... (12月16日 4時) (レス) @page38 id: 587110230b (このIDを非表示/違反報告)
人未(プロフ) - 主人公さんが凄く魅力的で、緑谷くんとの関係も大好きです! (2023年3月12日 22時) (レス) id: 7a0cc58a20 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - あのもう終始にやけているのですが、これは神の領域の小説ですね。ありがとうございます。 (2021年8月14日 3時) (レス) id: 56fe7289ff (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え???神ですか?あ、神ですね!( ´∀`)ハハハ好きです(唐突な愛の告白←) (2021年7月7日 19時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 凄いきゅんきゅんするとこで終わってる!!めっちゃいい所で終わってて心臓がキュッってなりました!笑 オールマイトの「あの二人脈アリなんじゃないか」のセリフちょっと面白い()更新待ってます! (2021年3月4日 0時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八尋 | 作成日時:2017年10月12日 21時