2:僕らヤンデレ芸人やってます。 (ページ7)

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私しかいない静かな部屋で急に携帯が鳴った。

画面を覗き込むと九条ジョーと表示されていた。

彼が言うには濱家さんから私の連絡先を頂いたらしく、一度お話ししてみないかとのことだった。

自分自身九条さんと話してみたかったため好都合だった。

髪を結い、よそゆきの服を着てメイクをする。

新しくきた九条さんからのメッセージには、今九条さんがいる居酒屋の名前が書いてあった。

今すぐに行きます、とメッセージを送った。

　
　
　
　
　
　

　
『お久しぶりです。』

九条「ちゃんと喋るのは初めてですね。もっと砕けた感じにしましょ。」

彼女は座りながら暖かそうなアウターを脱いだ。

うーん、確かに可愛くはあるけどちょっと探せばこのレベルの女の子なんてちらほら居そう。ほんまに下田はこの子に惚れたのか？

『でも九条さんの方が年上なので敬語でいかせて
頂きますね。』

しかも下田の嫌いそうな堅苦しいこの感じ。ますます意味が分からない。

『ちょっと注文しちゃいますね。ハイボールひとつ。』

九条「ボクはウーロン茶で。」

彼女はとても速いペースで酒を呑んでいった。驚いた。なかなかの酒豪だ。

九条「Aちゃん？お酒強いよねえ？」

『弱くはないと思います。』

九条「ボク、このお店東京来る度に来てるんやけどオススメのお酒があるんよ。」

そう言うと彼女は無邪気に笑った。

『オススメですか！？呑んでみたいです！』

ボクは顔の見慣れた店長を呼び、注文を耳打ちした。

九条「このお店で1番度数強いお酒ジョッキで。」

かしこまりました、と店長は一礼した。

運ばれてくるお酒に彼女は目を輝かせた。

綺麗な酒に騙されちゃって。