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No.28 ページ32
副将 室伏古兵衛 vs 長井真
室伏「結人様､どうします?」
室伏が聞いてくる｡
結人「無論､勝ちのみ｡それに･･･」
私は声を潜めて続けた｡
結人「拙者の探し人がここにいることが解った｡絶対に全勝してここに入らねばならぬ｡」
室伏「と､言いますと?」
結人「相手方の次鋒と副将､それにあの女子二人･･･彼等が拙者の､
私の探し人です｡」
室伏は少し驚いたように､しかし極めて冷静に言った｡
室伏「では･･･勝ってきます｡」
そして室伏と長井の戦いが始まった｡
彼等の纏う空気､凛とした眼差し｡
似ている｡
恐らく､室伏を心から信用できるのは纏う空気が彼に似ているからかも知れない｡
真「俺､こんなに興奮する戦い､初めてかも知れないです｡」
室伏「そうかい｡それはよかった｡
しかし､宮次郎様の望みを叶えるべく私は勝たねばならない｡」
長井は怪訝そうに問う｡
真「宮次郎殿の･･･望み?」
室伏「少年よ､今の君では知る必要のないことだよ｡安心して負けなさい｡」
その言葉に長井は動揺した｡
真「何を言って･･･?」
バァァンッ!!
室伏「私の勝ちです｡この程度で動揺していては､いくら今日のような勝負で副将を任せられるほどの腕があっても勝つことはできない｡
精々日々の鍛練を怠らずに｡」
近藤「長井くん､よくやった｡
しかし･･･室伏殿に一本!!」
長井は悔しそうに虚空を睨んだ｡
最後は私の番だ｡
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作者名：さすらいの作者 x他1人 | 作成日時：2017年2月12日 22時
