No.10 ページ12
ー陽菜サイドー
陽菜「ねぇ、大ちゃん。Aちゃん、起きると思う?」
私は目の前にいる大柄な男の子で彼氏の大ちゃんこと大樹君に聞いた。
大樹「わかんないよ、俺、医者じゃないし。」
大ちゃんもわかんないか。
みんなのアイドルのAちゃんが起きないから、みんなギスギスして、真二くんもちぃちゃんも驚くぐらいにやつれちゃって。
早く起きないかな?
また遊ぼうよ。一緒に勉強しようよ。
そう思ったとき真二くんとちぃちゃんがご飯から帰ってきた。
千恵「ごめんね陽菜。待たせちゃって。大樹君もありがとう。」
陽菜「ううん、いいよ。私たちもAちゃんの事心配だったし、ちぃちゃんも真二くんも無茶してると思ってね。」
千恵「あちゃあ、うちらの心配もさせてたか。アイムソーリー髭ソーリー。」
ちぃちゃんが冗談を言っても信二くんは無表情で黙ったまんまだった。
そこで大ちゃんがキレた。
とても静かに。でも激しく。
大樹「おい、しん。お前なぁ、そんな顔してAちゃんが喜ぶと思ってんのか?
俺がAちゃんだったら嬉しくねぇ。お前、1ヶ月位前に『俺は何もできないクズだ』とかいってたよな?
ふざけんじゃねぇ。お前にはAちゃんが起きたとき元気な顔して出迎えるっつう役目があるだろうが。
目ぇ覚ませ。」
こんな感情的な大ちゃんは初めてだった。
でも確かに大ちゃんの言う通りだった。
でも、真二くんは・・・ちぃちゃんは・・・いや、みんなの本音は・・・。
真二「Aのそばにいたいっ。」
そう、『Aのそばにいたい』。
真二くんは大粒の涙を溢しながらAちゃんのそばに立った。
その時、Aちゃんの頬に真二くんの大粒の涙があたった。
そしたらゆっくりと、でも確かにAちゃんの目は開いた。
単なる偶然かも知れない。
でも奇跡的だった。
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作者名:さすらいの作者 x他1人 | 作成日時:2017年2月12日 22時