男は見た ページ28
彼はとある村の男だ
なんの変鉄もなく
ただ周囲に媚を売っている男
しかし男は見てしまったのだ
子供を襲う忌み子を
いや、正しくは忌み子の影を
それは子供を追い払った後、徐々に別の姿を形成した
人間とは思えない真っ白い肌
鋭い角
群青の翼
異形の片手
存在を信じていなかった
しかしこれは信じざるおえない
悪魔だ
お伽の話ではなく今彼のすぐ近くにそれがいる
男はそれを隠れて見ていた
それは忌み子の傷を癒した
男の心臓は聞こえるのではないかと思う程バクバクと跳ねる
あんなものが村にいたら…
あの忌み子が反旗を翻そうと少しでも考えただけで、この村は滅びる
何よりあの忌み子があのまま村を出ていけば惨めな自分が次の村八分のターゲットになるかもしれない
男にはその方が心配だった
男は直ぐ様周囲に話した
しかし誰も取り合わない
昨日までの自分の様に誰も信じないのだ
子ども達も同様に話していたが結果は同じ
戯れ言としかとられないのだ
男は暫く忌み子の動向を探った
悪魔は想像以上の力を持っていた
空間に別次元の空間を開ける力
辺り一体を燃やし尽くす業火
男は恐ろしくなり日に日に気を病んだ
そんなある時男は王都に物を売りにいった
村で作った工芸品を売り、村の食料の足しにするのだ
男は晴れない気持ちを引きずりながらも売らなければ村に迷惑がかかるので頑張って売った
しかしその日は思うように収益を得られず男は途方にくれた
「クソ…これも全てはあのアルビノ野郎のせいだ…大人しくこき使われてりゃいいのによ…！」
そんなときだった
「もし、そこの商人の方。」
優しげな男の声に顔を上げればそこには身なりのよい男がいた
上層区の人間だろうか
自分より身分のよいその男に自分との差を見せつけられた気がして男は嫌そうに睨んだ
しかしその男は笑顔で続けた
「お聞きしたいのですが、先程言っていたアルビノについて聞きたいのですが、少しお茶でもしませんか？代金は僕がお支払しますので。」
「…はぁ…」
男は半信半疑ながらも男に全てを話した
すると男はにっこり笑うと提案してきた
「では、その子供を僕に譲る気はありませんか？…抵抗するようであれば生死は問いません。外傷もついていていいです。ただその子供の身柄をこちらにくれるだけでいいです。もし条件をのむのでしたら永劫村の平和と金銭、物資の保証をします。いかがでしょう。」
男は笑った
これで全てから解放され、村も救われると
男は上機嫌に村に帰った
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闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» ありがとうございます！今後も作る機会があれば続きを書きますのでよろしくお願いいたします (2019年8月17日 1時) (
レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - シリアスとギャグの使い分けがとても巧で、あっという間に最後まで読んでしまいました。とても面白かったです……。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - いちごシロップさん» コメントありがとうございます！頑張らせて頂きます！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
いちごシロップ - 悪魔と人間が友達になる、って冒頭からほっこりしちゃいました。でもシリアスな場面もあって…。とにかくとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年5月1日 23時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まゆみさん» 人外×人間が大好きなんですよ…！ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 32007db41f (このIDを非表示/違反報告)
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