検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,264 hit

第十五話 ページ16

我が学園は金を惜しまない
故に実力さえ伴えばありとあらゆる物を作ることが可能なのだ
それは創作性を育てるという名目上貴族にも庶民にも許されている
もし何か大発見があればそれは我が学園の名声となるからだ
なのでこのような催し物はありとあらゆる最新技術が取り入れられる
このお化け屋敷もそのひとつで全てのお化けがアンドロイドと立体映像で作り出され、館内はまるで本当に墓地に来たのではないかと錯覚するほど精密な作りになっている
プライバシーの保護の為中は完全防音
外には囁き声の一つ漏れない
無論、監視カメラはないが何かあった時は腕につけたボタンを押せば全てのシステムを強制リセット及び停止できる
監修は学園でも外部でも有名なお化け屋敷プロデューサーが担っている
そんな最先端の技術を駆使したお化け屋敷に私達は足を踏み入れた
中は墓地で近くの民家らしき場所から風鈴の音が静かに響く

(いかにも……って感じだな……一は……?)

前を任せスタスタ進む一
その表情に変化は見られない
私はガクッと肩を落とした

(ったく、あいつには苦手なものは無いのかぁ?)

後を追いながら私は心で悪態をたれる
と、その時

「オォォォォォ!」

「ギャァァァァ!」

突如現れた幽霊に私は一の後ろにさっと隠れる
幽霊は顔面崩壊していてとても口では言い表せられない

「あー……西園寺様?」

「はっ!」

我に帰ってみると私は一の腕をしっかりと掴んでいた

「あ、いや、コホン……こ、これはあれだ!咄嗟の反応というか……そ、そんなことより先進むぞ!」

「はぁ……。」

一の顔を直視できない
今どんな顔してるんだあいつは……
気になるが怖い
一の背中を押し前に進ませながらお化け屋敷内を進んでいく
そこから先は散々だった
お化け行灯にろくろ首、塗り壁一つ目小僧洒落頭
どれもが形容し難い顔で襲ってきてその度一に泣きつく
そして死にたくなる
無様にしようと試みる処か無様をさらけ出してるではないか!
本当に防音監視カメラ無しでよかったとつくづく思う

(くっそ……今も済ました顔しおって……!今に見てろ!こっちから脅かせば……)

「グギャァァァァ!」

「はっ……!?」

次の瞬間、壁から飛び出してきた大蛇が私を締め上げた

「ちょ、な、はぁ!?」

大蛇はアンドロイドで滑らかな動きで私をどんどん顔に近づけていく
まて、お化け屋敷のオブジェクトは観客に危害を加えないんじゃ……
その時微かにピシッ、ピシシッバチッと機械が擦れ音がした
まさか……

故障している!?

第十六話→←第14話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:BL , 学園 , ギャグ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:闇鍋ソース&ナイフ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/  
作成日時:2019年8月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。