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(84)決定 ページ45

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陽和が話した"事情"とは、大まかに言うと次のようだった。


『シキ』という羽須美に従事する男が、前に1度陽和を連れ出そうとしてくれた。
無論、其れは失敗に終わったのだが、彼は其の後も組織内に居たという。

そして、彼はもう長くないらしい。


ザッとこんな感じだ。


「失踪未遂がバレた時に始末されなかったのか…?」

「ええ…ですが、其れから1度も話はしてません」

『異能力者大国のマフィア(此処)じゃないんだから、そう簡単に殺さないでしょ』

「は?其奴が異能力者だってのか?」


中也までも答えを待つようにAを見るものだから、彼女は眉を顰めた。

顔が『何で判らないの?』と語っている。

Aは馬鹿にするような口調で答えた。


『"シキ"って正岡子規でしょ?』

「ええ。何で知って…」

『"異能力者だから"だよ。関係組織の異能力者は大体把握しとくのが普通だし?』



鼻で笑った音がした。

其の意を理解した中也は額に青筋を浮かべ、口元をヒクつかせる。
大分我慢のキくようになってきた彼だが、まだ表情には出てしまうらしい。

其れも此れも、此の小憎(こにく)たらしい相方のせいだ。


『話し戻すけど、そういう事なら仕方が無いね』

「…良いの…ですか…?」


心の中で中指を立てられている事を知らないAはケロッとした顔で云った。


『私が決めていい事か知らないけど。矢ッ張り正面衝突も面白そうだし…どう?幹部様(・・・)

「……いいンじゃねえの」

「…!ありがとうございます…!!」


上司から賛成の言葉を貰ったAは満足そうにソファから立ち上がり、出口へ向かう。

ソファの前に備えられたローテーブルには数枚の書類が置いてあった。

お忘れの方もいると思うが、抑々Aが中也の部屋を訪れた本来の目的は、書類の提出だ。


『遣れるだけ遣ってみよう。責任は其処のチビッコ幹部様が取るらしいしね。じゃ』

「手前、次顔合わせたらマジでぶっ殺す」


去り際にまた煽られた中也は閉じられた扉へ向かって、今度こそ本当に中指を立てた。

どうやらいよいよ心中には収まらなかったらしい。



そして其の晩、Aが自宅へと帰ることはなかった。

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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時

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