きっと其の五十五 ページ5
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翌々日、Aは人気のパスタ専門店に来ていた。
店の奥、小さな二人掛けの席。向かいに座るのは立原である。
少し前に取り付けた約束を果たす場として此処を選んだのは、他でもない彼だった。
きっと仕事の合間にネットで調べたか、恥を承知で樋口の姐さんあたりにでも訊いたのだろう。
実際、昨日私を誘うときも、
「女ってこういう所好きなんだろ？」
と云っていた。
正直そういうものに疎い私は全く判らなかったが、折角の配慮だ。「まあ、そうね」と良い方向で適当に返した。……何だか考える事がとてもオバサンで切ない。
却説、3日間の休暇のうち何故2日も立原に会っているのかというと、それは先日対峙したあの女のせいである。
どうやら3年前のあの日、私が殺した＿＿意図的にではないが＿＿男たちは例のブラッディ・シープの身内だったようだ。復讐主義のブラッディ・シープから、今後も継続的に狙われる可能性があるとして、厳重に警戒せよと幹部様直々に仰せつかった。
よって、この3日間も誰かしらマフィアの人間と居ろという命令が出された。
と、まあ前置きが長くなってしまったが、昨日も今日も特に危ない目に遭わず、平凡な休暇を過ごしている。
「それにしても……本当に女ばっかりだな」
「ちらほら男性が見えても、必ず彼女連れだね。メニュー決まった？」
「おう」
「マジか。めっちゃ悩んでるんだけど」
ジェノベーゼか、カルボナーラか。
生パスタか、乾麺か。
珈琲か、カフェラテか。
「全く決まってねえじゃねえかよ」
返す言葉もない。
「だってどっちも美味しそうなんだもん！」
「"もん"とか云うなよ気持ち悪い……俺のカルボナーラ少し分けてやるから、それ以外早く決めろ」
「……昨日から何かカッコイイね立原、どうしたの？」
「ッ、いいから早く決めろ！！」
結局、生パスタのジェノベーゼにアイスカフェラテをつけて注文した。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - カンナさん» ちょっと……涙が出そうです……ありがとうございます。お待たせしました(> <) (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新楽しみにしていました。おかえりなさい(*´ω`*) (2020年6月16日 18時) (レス) id: 5ade983ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年5月11日 13時
