(36)衣装攻防戦線 ページ40
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中也と私の執務室ではとある攻防が行われていた。
「諦めてくださいAさん!」
「A幹部補佐!」
『死んでも諦めない!』
向かい合わせに設置された2つの机の対極で樋口ちゃんともう1人___私の部下がドレスを手に此方を睨む。
『何があっても其れだけは絶っっ対着ないからな!!』
「困ります!首領の指示なのですよ!!」
『知るか!私にだって人権が存在するンだ!』
睨み合いは埒があきそうにない。
『抑々、そのドレス明らかに私じゃなくてエリス嬢に合わせて選んでるだろ!』
「サイズはAさんです!」
『問題は其処じゃないンだってば !!』
もういっそ異能使ってやろうか、狂わない程度に。
そうだな…お菓子の国に誘ってあげよう←
『 異能力、無我夢中 』
「え?A幹部補佐…っわ!」
「何此れ…綿菓子…?」
『悪く思わないでよ…真面目にそのフリフリドレスは勘弁だから』
不思議な顔をしている2人を置いて、私は執務室を出た。
そして向かうのは私の知る限り1番ファッションセンスがある人の所_____
『姐さぁ〜ん』
「入る時にはノックをしろと…Aではないか!よく来たのぅ〜」
『ンギュゥ!』
自分から出向く事があまり無いためか、部屋へ入った瞬間抱き締められた。
ちょ、あの、苦し…
「待っておれ、今すぐ茶と菓子を持ってくるからの」
『お菓子?!…も食べたいけど、先ず…』
「先ず何じゃ?」
紅葉姐さんの茶菓子は美味しいから大好きなんだけど、それより先に今日来た目的を話さないと。
お菓子食べ始めたら絶対忘れる←
『余所行きのドレス無いですか?』
「余所行きの…なっ、A!? そなた…!」
『どんな勘違いをしているか予想つくけど違うからね』
私に色恋沙汰なんて有ったもんじゃない。
『今度、任務で敵方のパーティに参加するンだ。そしたら首領がさぁ、フリッフリの凄い沢山リボン着いたの手配したらしくて、』
「逃げてきたというわけか」
『そう。樋口ちゃんに異能使っちゃったンですけど…芥川くん怒りませんかね?』
「彼の2人は未だ遠いからのぉ……そういうそなたは、中也と上手く遣っておるのかえ?」
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ヤマダノオロチ(プロフ) - ありがとうございます!目指せシックスパックです← 更新頑張ります! (2016年8月7日 19時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 『氏ね』の一言を遠回しに言ってる、その内容で爆笑して腹筋が痛いです(これで割れるかな←) 訳:面白いです。これからも頑張ってください。 (2016年8月7日 17時) (レス) id: b2f7131e28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 雪凛 さん» はじめまして!コメントありがとうございます。共感してくださって嬉しいです(笑)頑張ります! (2016年6月9日 17時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - はじめまして!中也いいですよねぇ!かっこいいですよねぇ!もう、いろいろやばい…←とてもおもしろいです!これからも、頑張ってください! (2016年6月9日 16時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - わたがしちゃんさん» 同士様ですか…!ありがとうございます。頑張ります! (2016年6月5日 22時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年6月1日 0時