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(19)俺だけ ページ21



「………」


ぼんやりと明るくなる視界。
其れは段々と鮮明になり、自分が今、治療室のベッドに寝かされているのが判った。



「目が覚めたか」


「…紅葉姐さんか」



躰を起こそうとすると、「まだ寝ておれ」と戻される。



「…っ…Aは?」


「…まだ昏睡しておる」


姐さんが見つめる方へ顔を向けると隣のベッドで眠るAが見えた。

自分の腕へ目を移すと目立った外傷なんてものは無かった。

Aは違う。

腕に点滴が繋がれ、額と___この目線では見えないが___撃たれた左肩に包帯が巻かれている。


「心配は要らん。生命に別状は無いしの」


「…使ってから2日で起きれば良い方だそうです」


「そうか。大丈「俺だけ…」


言葉を遮って、本音を漏らす。
情けねェ事だが、1度吐いた言葉は止まらなかった。


「俺だけ…無傷って事だろ…?彼奴の異能で俺だけ無傷になって、当の本人は昏睡状態になって…」


どうにもならない悔しさに、硬く拳を握った。


「…クソッ…クソが……!!!」


すると、頭に優しい温もりの様なものが。
姐さんに撫でられていると気付くまで数秒かかった。



「余り思い詰めるでないぞ中也よ」


「けど…!!」


「抑、左肩を撃たれたAが其の傷と異能の反動だけで済んだのは誰の力があってだと思うてるのじゃ」


「そ、れは…」


「2人共良く頑張った。其れで良いではないかえ」



そう云って目を細める姐さん。

其の温かさに、思わず目が潤んだ。
涙を悟られないように、顔を背ける。



「ありがとう…ございます」


「お、珍しく素直じゃのう。可愛い可愛い」


「五月蝿ェ!」




じゃあ仕事が有るから、と紅葉姐さんが部屋を出て行った数時間後、俺は治療室を後にした。


___________________________

紅葉姐さんの口調がわからない(;´Д`)←

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ヤマダノオロチ(プロフ) - ありがとうございます!目指せシックスパックです← 更新頑張ります! (2016年8月7日 19時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 『氏ね』の一言を遠回しに言ってる、その内容で爆笑して腹筋が痛いです(これで割れるかな←) 訳:面白いです。これからも頑張ってください。 (2016年8月7日 17時) (レス) id: b2f7131e28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 雪凛 さん» はじめまして!コメントありがとうございます。共感してくださって嬉しいです(笑)頑張ります! (2016年6月9日 17時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - はじめまして!中也いいですよねぇ!かっこいいですよねぇ!もう、いろいろやばい…←とてもおもしろいです!これからも、頑張ってください! (2016年6月9日 16時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - わたがしちゃんさん» 同士様ですか…!ありがとうございます。頑張ります! (2016年6月5日 22時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年6月1日 0時

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