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(16)多勢に無勢 ページ18



凡そ5分後、数10台の車が8番倉庫へ到着した。

ぞろぞろと蟻の様に出てくる人間。
数では完全すぎるくらいに相手側が有利だ。


「ポートマフィアの連中は?」

「まだ来ていないのか?」

「この期に及んで怖気づいたのかもな」


笑い声をあげる男達を見計らったように、隣の7番倉庫の壁から爆音が響き、辺りが爆風に襲われた。

中原は異能力の力で屋根へ居続けるが、今ので敵の半数が真暗な相模湾へと投げ出された。

それでもあと20人ほど居るが。


「彼奴は莫迦か…!」


ポッカリと穴の空いた7番倉庫から出てきたのは勿論、A。

其の右手は遊ぶように檸檬爆弾を宙へ放っていた。



「貴様が取引人か?」


『ええ。御挨拶は先程済ませたでしょう?同僚からの御土産です』


爆発と逆撫でるような態度が、Aを注目の的にする。


「独りで来るとは…舐めているのか?」

『舐めてないけど…雨が酷くなったからね』


その瞬間、今まで体験したことが無い圧迫感が男達を襲った。


『___悪い子は閻魔様にでも潰されてください』


何と、自分等を巨大な手が上から押している。


「ッたく…コンテナに乗っての登場なんて、怪盗は遣らねェよ」

『大丈夫だよ、誰も中也の事は見てないから』

「また質の悪い夢見せてンだろ、手前は」


当然だが、コンテナ1台で分散している20の人間は潰せない。

だからといって、潰れなかった奴等が無事なワケもない。


『彼等は今、目の前で閻魔様に潰される仲間を見ただけだよ。平気へーき』

「手前の人間性と精神力(メンタル)を疑うぜ」


情けない声を上げ出す男達にAは、右手で弄んでいた檸檬爆弾を無造作に投げた。
そして、中原の手を掴む。

こうすることで、Aも爆風の被害に遭う事はない。


「気持悪りィから早く離せ」

『云われなくとも』


爆発を諸に喰らった男達は無惨な姿で倒れ伏している。


『終わっちゃったよ…』

「本当に此の任務で試せって云われたのか?」

『任務の件で私が嘘を吐くと思ってンの?』





其の時だった。






パァンッッ







『…っ?!!』


「A…!!」



Aの左肩を、1つの弾丸が撃ち抜いたのは。

(17)制限装置→←(15)雨が酷くなつた



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ヤマダノオロチ(プロフ) - ありがとうございます!目指せシックスパックです← 更新頑張ります! (2016年8月7日 19時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 『氏ね』の一言を遠回しに言ってる、その内容で爆笑して腹筋が痛いです(これで割れるかな←) 訳:面白いです。これからも頑張ってください。 (2016年8月7日 17時) (レス) id: b2f7131e28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 雪凛 さん» はじめまして!コメントありがとうございます。共感してくださって嬉しいです(笑)頑張ります! (2016年6月9日 17時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - はじめまして!中也いいですよねぇ!かっこいいですよねぇ!もう、いろいろやばい…←とてもおもしろいです!これからも、頑張ってください! (2016年6月9日 16時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - わたがしちゃんさん» 同士様ですか…!ありがとうございます。頑張ります! (2016年6月5日 22時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年6月1日 0時

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