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「A…そんな顔せえへんの」
パシリと急に手を取られて、目の前に見えた黒髪赤マフラー
私を見つめ微笑んだトントンが、私の手を流れるように引きその場から離れた
後ろからひとらんとオスマンの声
トントンはそのまま私を引連れ人気の無い道へ入っていった
涙が止まらない
ただ、トントンの震えている手はしっかりと私を掴んでいて
相変わらず暖かくて大きな手
「お前がトン氏が連れてきた女か」
「ここはお前が出ろ、エーミールの案だ」
「…もちろんお前なら上手くやれるよな？」
名前で呼ばれるのに、時間が掛かった
多分信じてもらえてなくて
初めはよく特攻隊で戦に出ていた
彼が私に興味を持ったのは、必ず私が任務を達成し帰宅するのに気が付いた頃
みんなと距離を縮め始めたのはいいが、1度だけ任務を遂行失敗した事があって
トントンに助けられた日
帰宅した際に、グルッペンに口答えをしてビンタをされたのを覚えている
それから、腹を割って話して
「A！見ろ！これ！！！新しい武器や！」
「む、Aにバレた…」
「甘いもん食うか、Aも好きやろ」
「絶対に帰ってこい……これは総統命令だ、ええなA」
名前で呼ばれるのが、大好きで
いつの間に城内で肩を並べて歩くことが増えて
隣にいると安心して
私に向けられる笑顔を
ただ守りたかっただけなのに
『っ…』
「A、おいで」
トントンが掴んでいた手を離し、私の前で両腕を広げた
涙でボロボロな私の顔を見て彼は少し困った様に笑う
ゆっくりとトントンに体を寄せれば彼は、背中を優しく叩いてくれて
「あー懐かしいわ……泣き虫はホンマに変わらんな」
『……っ、うる、さい』
「Aは何も変わらんな、不器用なのも泣き虫なのも人想いなのも……グルッペンが好きなのも」
『っ…グルッペンが、楓ちゃんに取られちゃう』
「……なぁA」
「楓さんをホンマに覚えてないんか」
背中を叩いてくれていた手が止まる
トントンの声は落ち着いていたが、少しだけ震えているような気がして
首を振る私に彼は「そうか」とだけ呟いた
彼等は覚えているのか
楓ちゃんについて何かを知っている
でも、彼等は私に教えたがらない
優しさなのか
それさえも
『何も、わからない……』
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きー - お願いなんですが例えばグルさんがしゃべる時 gr「〜〜〜〜」みたいにその人の名前(？)を入れてほしいです。できればでよろしいのでお願いします (2020年3月18日 14時) (
レス) id: bd690c3b0a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんひな - 続きを読むたびにドキドキしてワクワクしてます！早くgrさんが思い出してくれないかなって思ってます。更新楽しみに待ってますね！ (2020年1月13日 15時) (レス) id: 894f831fc0 (このIDを非表示/違反報告)
水晶 - 続きが気になり過ぎて、読み終わるごとに発狂してます、grさんはどういう形で思い出すのか、本当に楽しみです！更新頑張って下さい！ (2020年1月13日 14時) (レス) id: 62648964a0 (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - 虎徹さん» ありがとうございます〜！彼等に幸せを見せてあげられるよう頑張ります……！これからもよろしくお願いします！ (2020年1月11日 17時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - せりんこ。さん» コメントありがとうございます！これからgrさんもmnちゃんも活躍していくので、暖かくみまもってあげていてください〜！ (2020年1月11日 17時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
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