話 ページ1
リヴァイside
俺はAの髪を撫でていた。
Aは眠ってしまった。
いいところで寝やがって。
だが、今は仕方ない。
俺はAの頭を撫でながらエレンの言った言葉を思い出していた。
それは俺がここに来る少し前のことだ。
俺は廊下を歩いていた。
すると、エレンが向こう側からやってきた。
「リヴァイ兵長、お話があります」
エレンが唐突に言った。
俺は訝しげに思いながらも了承した。
「Aさんのことです。俺はAさんが好きです。でもAさんは兵長が好きです。泣かされたとしても」
部屋に通すとエレンは言った。
「何が言いたい？」
俺はイラついていた。
それはエレンに対してではなく、Aに対してでもなく、自分に対してだった。
あんな態度しか取れない自分に対してイラついていた。
「兵長がこれ以上Aさんを悲しませるつもりなら、俺が奪います。兵長からAさんを」
このガキは何を言ってるんだ。
Aは俺のことが好き…なはずだ。
Aがエレンのことを好きならそうなってもいい。
Aが幸せになればそれでいい。
だが、俺のことを好きかもしれないという可能性が少しでもあるならそうはさせない。
「俺はもうAを悲しませない。お前の入る隙間はない」
俺が言うとエレンは心なしか満足そうだった。
Aが欲しいのかどっちなんだ。
「ならいいです。でも、隙あらば奪いますからね？」
エレンはそう言って出て行った。
それで俺はここに来た。
エレンに奪われないため。
愛を確かめるために。
俺はドアの開く音で我に帰った。
入ってきたのはクソメガネだった。
「ちょうどよかった。リヴァイ、話があるんだよ」
またこのパターンか。
俺は仕方がなくクソメガネに着いて行った。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
